アチェの声―戦争・日常・津波

佐伯奈津子
四六判/192ページ
本体1800円+税
2005年5月

ISBN-10: 4861870054
ISBN-13: 978-4861870057





地震災害により日本に知れ渡ったインドネシア・アチェ州。そこでは長年、インドネシア軍による凄まじい人権侵害と虐殺が起きている。何度もアチェを訪れ、家を借り、6年半にわたって人権侵害の現状を調査し、その実態を訴える活動をしてきた若い女性による渾身の書き下ろし。日本はインドネシアの最大の援助国であり、アチェの戒厳令とけっして無関係ではない。

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<目次>

プロローグ はじめてのアチェ
アチェでなにが? アチェに「はまる」
たくさんの「?」 暴力を「理解する」ことが平和につながる

第1章   豊かなアチェ、貧しいアチェ人―紛争の根底にあるもの―
ランチュン・キャンプ―人権侵害に加担した日本のODA
いまも終わらないランチュンの悲劇 夫を失って、必死で稼いで―
開発が生活を奪った 三世紀にわたるアチェの抵抗

第2章 夫を殺され、女手ひとつで暮らす―DON時代の人権侵害―
始まった軍事作戦 銃弾でボロボロになった夫の服
木に体を縛り付けて夜を過ごす 「ジャワ人に中傷され」12人の男が消えた
ショック・セラピー―沈黙を強いる作戦 「M16とともに来て、M16とともに帰る」

第3章 裏切られた改革・民主化への期待―DON後の人権侵害―
立ち上がった人びと、終わらなかった人権侵害 国軍に腎臓をとられる―
続く「軍事作戦」 友だちの血と肉が体にかかる アチェへのアメとムチ
「死ぬなら、息子といっしょに」 「危険地域」に「潜入」する 
家族を殺され、なんのためのおカネか 

第4章  生まれたときも死ぬときも血を流す―女性への性暴力―
「完璧な」犠牲者だったラシダ 血塗られた、平和的解決を模索する集会
国軍兵士の嫉妬で夫も巻き添えに たくましい女性たちに男性も脱帽 

第5章 すぐそこにチュアッがいる恐怖―人びとを分断する作戦―
突然、見知らぬ女性が家に― 足跡を消されるチュアッ 
GAMの部隊、それとも?

第6章  ジャファル・シディック―活動家が直面する恐怖
消えたジャファル 奪われた人間としての尊厳 
正義はどこへ?


第7章 GAMはオラン・キタ―GAMを選ぶ人びと
父親の顔を知らない息子に伝えることば 「お父さんの復讐をしたい!」 
もう少しで停戦だったのに・・・ 
いつかすべて話せる日がくるのだろうか 

第8章 無力感を噛みしめて―軍事戒厳令下のアチェ―
平和になったアチェ 「和平なんてジュネーブの話だ」 終えた平和の夢 
閉ざされたアチェでなにが? 警官10人の護衛!?―外国もNGOも警戒される
 

第9章 政府も軍事もいらない―戦争でも津波でも人びとは暮らしている―
アチェを開放した津波 プカット・ソロン―貧しい漁民の漁 
もうひとつの「パスポート」 援助がなくても人びとは立ち直る


年表
あとがき


<目次>

 昨年12月に起きた大地震と津波により壊滅的打撃をこうむったあインドネシアのスマトラ島にあるアチェ。しかし、この津波を著者は「閉ざされていたアチェへの扉を開いた」と表現する。なぜなら、アチェではインドネシア国軍による凄まじい弾圧が行われていたからだーと。(『週刊現代』05年7月2日号より)