ぼくが百姓になった理由〈わけ〉
    
――山村でめざす自給知足

有機農業選書 3
浅見彰宏(ひぐらし農園主宰)
四六判/316ページ
本体価格1900円+税
2012年11月

ISBN-13: 978-4861870989

※第2839回 日本図書館協会選定図書

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元エリートビジネスマンが、過剰消費社会に疑問をもち一念発起!
脱サラ・農家での農業修業を経て、会津の山村へ移住して16年。
有機農業(稲作、野菜、採卵鶏)+蔵人として自立し、江戸時代から続く水路を守り、
原発事故に対峙しつつ地域社会の担い手として活躍する、社会派農民の思い・暮らし・活動




「ひぐらし農園のめざす農業は『未来を拓く農業』でありたい。
そのためには、社会性があり、永続的であり、科学的であり、誠実であること。
そして、排他的であってはならない」 
(ひぐらし農園の信条)



<目次>

はじめに


第1章 ひぐらし農園の日々
   1 感動の春
   2 忙しい夏
   3 短い秋
   4 雪国ならではの冬

第2章 有機農業をやろう!
   1 バブル時代に就職
   2 海外ボランティアから農業へ
   3 人生の師との出会い
   4 霜里農場での研修
   5 研修先の上手な選び方

第3章 会津の山村へ移住
   1 山間地で役割を果たしたい
   2 偶然の出会い
   3 晴れて早稲谷の住民へ
   4 独身男とオス猫一匹の農的暮らしの始まり

第4章 有機農業による自立をめざして
   1 耕作放棄地の再開墾
   2 待望の稲作へ
   3 「文化遺産」の水路との出会い
   4 本格的な農業のスタート
   5 売り先はどこだ
   6 家族が増える、田畑を増やす

第5章 水路を守ろう
   1 ボランティア受け入れ構想
   2 受け入れ体制の整備
   3 堰の管理という仕事
   4 参加者の急増と上堰米の販売

第6章 田舎暮らしの試行錯誤
   1 冬は造り酒屋で働く
   2 仲間と出会う、仲間が増える
   3 新たな連携を生んだ地域通貨
   4 たった一度のマイ醤油プロジェクト
   5 農的ひきこもりからの脱却
   6 めざせ!「もりの案内人」

第7章 山村の自然を生かした農業と暮らし
   1 変質した農業
   2 農業の六つの社会的役割
   3 社会運動としての有機農業
   4 山間地の有機農業の可能性
   5 ひぐらし農園の社会的役割

第8章 放射能に負けない
   1 三・一一の衝撃
   2 被災地を訪れて
   3 安心とは何かを見つめ直す
   4 放射能汚染の本質
   5 有機農業の再生をめざして

第9章 社会の根幹としての農

   1 中山間地で暮らし続けられる仕組みをつくる――百二姓ネットワーク
   2 有機農業による自立をめざす――あいづ耕人会たべらんしょ
   3 社会性をもち、排他的にならない――ひぐらし農園のこれから



<著者プロフィール>


浅見彰宏
(あさみ・あきひろ)
ひぐらし農園主宰
1969年3月 千葉県生まれ。
1991年3月 上智大学文学部卒業。
1991年4月〜95年6月 鉄鋼メーカー勤務。
1995年7月〜96年6月 埼玉県小川町の霜里農場で有機農業研修。
1996年7月 福島県山都町(現・喜多方市)へ移住。
現 在 春〜秋は地域循環にこだわった有機農業(稲作、野菜、採卵鶏の小規模な有畜複合経営)に従事し、冬は酒蔵で蔵人として働く。福島県有機農業ネットワーク理事。
共 著 『放射能に克つ農の営み――ふくしまから希望の復興へ』(コモンズ、2011年)。
連絡先 higurasifarm@yahoo.co.jp
ブログ http://white.ap.teacup.com/higurasi/




<書評>

 農業・農村は食糧生産に加え、地場産業の創出、地域文化・伝統の存続など、重要な役割を果たす。しかし高齢・過疎化が進み、衰退に歯止めがかからない。こうした地方のコミュニティーの弱体化は、日本がこれから直面する課題を先取りしている。農業、農村の再生をどうするのか、新たな生き方や信念は? この難問に山間地に飛び込んだ一人の若者が自らの生きざまでこたえる。
 著者はバブル真っただ中、大手鉄鋼メーカーに就職。脱サラし、福島県会津地方の山間地で有機農業に挑戦する。住民協同作業で田の水路を掃除する「浚い(さらい)」では、江戸時代から脈々と農民が管理を受け継いできた水路保全に「文化遺産」の価値を見いだし感動する。そして生活が軌道に乗り始めた矢先の東京電力福島第1原子力発電所事故。これを機に有機農業の意味、食の安全、消費者との関係を再度問い直すことになる。
 空気を吸い、水を飲み、ものを食べ、生きている以上、農業は社会の根幹であり、社会全体で支える「公共」という共通認識が必要だ。そして、こだわり続けた「自給」とは、全てを自力で賄うことでなく、地域の多くの人とつながり、土や自然とつながって行動を共にしていくことにあると気付く。
 都会育ちの著者が就農して16年。持ち前の“楽天性”と前向きな態度で村に溶け込み、成長する様子は、新規就農や田舎への定住を考える時の参考になる。
 地域農業や、これを取り巻く社会問題を鋭く指摘しながら、文体は明るく読みやすく人柄をにじませる。柔軟な視点で捉えた課題と克服策の提案に、次代の農業の在り方がみえてくる。
 (日本農業新聞12年12月2日)


「朝日新聞」(12年12月22日)、「日本農業新聞」(12年12月2日)「『全国農業新聞」(12年11月30日)、「岩手日報」「南日本新聞」(12年11月25日)、「福島民友」「福島民報」(12年12月1日)、「河北新報」「山梨日日新聞」「徳島新聞」「伊勢新聞」(12年12月2日)、「信濃毎日新聞」(12年12月16日)、「週刊金曜日」(12年11月9日号)、「ふぇみん」(13年1月1日号)、「出版ニュース」(12年12月号)、「月刊ガバナンス」(12年12月号)、「電子耕」(農業文化メールマガジン)、「オルタ」(13年3・4月号)、「畜産コンサルタント」(2013年9月号)、「文化連情報」(13年8月号)などで紹介されました。



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