食べることが楽しくなる アトピッ子料理ガイド〈シリーズ・安全な暮らしを創る9〉[3刷]

アトピッ子地球の子ネットワーク 著
A5判/128ページ/本体1400円+税
2002年10月/ISBN 978-4906640560

アレルギー相談の第一人者たちが、アトピーとの上手なつきあい方、手の抜き方の極意を披露。毎日のおかず・お弁当・離乳食から一手間かけたレシピまで味と素材にこだわってイラスト入りで紹介。

目次

第1章 食べ物とアレルギーの深い関係 
 アレルギーは身体を守る反応 
 食物アレルゲンってどんなもの? 
  卵  乳製品・粉ミルク  小麦など  大豆  米 
 砂糖・みりん・酢は素材を選ぶ 
 気になる食べ物とのつきあい方 
  肉  魚  野菜 そば
  とうもろこし・ナッツ類・ドライフルーツ
  粉類  香辛料・寒天・ゼラチン 
 食生活と体調の深い関係 

第2章 基本を知って簡単料理 
 アレルギー対応の食事の基本  
 基本パターンを身につけよう 
 離乳食のコツ  
 メリハリのあるメニューで油制限を乗り切る
 ホットプレートクッキング 
 豆豆アラカルト 
 アレルギー用加工食品を使う 
 だし汁いろいろ 
 アレルギー用のだしを使う 
 スープが大活躍  
  にんじんポタージュ  白菜と魚のスープ煮  レンズ豆のスープ煮
  青菜のスープ  ミネストローネ  雑穀もち入りみぞれ汁
 野菜を応用して温かく食べる  
  じゃがバーグ  冬野菜の煮物  春野菜のほっとサラダ
  じゃがいものチヂミ風  雑穀入りれんこんバーグ
  しめじと小松菜と魚のれんこん蒸し  
 魚のうまみで野菜を食べる  
  魚と野菜のポトフ  ロールキャベツ  
 食欲がないときの一品  
  焼き魚のおろし和え  ひじきのサラダ  ねぎスープ 
 豊かな実りを楽しく食べる  
  里いもご飯  豆腐の野菜あんかけ  
 作りおきのお総菜  
  野菜みそ  レンズ豆入りひじきの煮物  ひと口昆布巻き
  大根の葉のつくだ煮  煮なます  かじきまぐろの角煮  
 カルシウム・鉄分たっぷり  
  かつおの野菜ソース  あさりと大根の簡単煮
  チンゲン菜ともめん豆腐のチャンプルー  じゃこ菜めし
  小松菜と油揚げの味噌汁  小松菜の白和え 

第3章 応用力を身につけて時間を有効活用 
 アレルギー用のパンをおいしく食べる  
  A−カットパンのピザ風  パンサラダ  カップケーキ
  アマランサス入りカップパン 
 野菜や魚を使って食卓にいろいろなご飯が登場  
  チャーハン+あおさのお吸い物  さつまいもご飯
  炊き込みちらしずし  そぼろご飯+簡単スープ 
 雑穀麺でちょっとリッチに 
  和風きのこスパゲティ  サラダ麺  あんかけうどん  ブロッコリーのパスタ  
 中華惣菜に挑戦  
  中華まんじゅう  餃子・シューマイ  春巻き  焼きビーフン 
 粉を使っておやつを作る
  葛まんじゅう  かぼちゃのプリン風  草だんご  アマランサスのナン 
 我が家のとっておきのおかず・菓子  
  熱々グラタン  野菜いっぱいカレー  豚肉入りすいとん
  きのこと厚揚げの鍋  ポテトのカリカリ焼き  変わりいなり寿司
  フルーツグミ かまぼこ  雑穀クッキー  リンゴのぷちぷちゼリー風 

第4章 役に立つ情報と知識 
 これだけは知っておきたい4つの言葉 
 食物日誌の活用と食べ物の選び方 
 アレルゲン表示の基礎知識 
 「基礎の話」と手抜きが柱 
 アレルギー対応食品の製造・販売メーカー 
 アレルギー対応食品を販売している自然食品店 1
 安全な農産物・加工食品を扱う流通団体 
 あると便利な調理器具 
 こんな本が役に立つ 

あとがき

著者プロフィール

アトピッ子地球の子ネットワーク
1993年に発足。アトピー・アレルギー性疾患をもつ患者とその家族にもっとも信頼されている団体。環境とアレルギーの関係を問い続け、電話相談、月刊情報誌の発行、講座の開催等を通して、調査・研究、情報の集積と発信、遊びと学びと暮らし方の提案を行っている。

書評

書評オープン


 子どもに増えているアトピーなどのアレルギー症状。卵や小麦を食べるとじんましんが出るなど、何をどう食べさせたらいいのか戸惑う親も多い。
著者は、アレルギー性疾患をもつ患者とその家族を支援し、電話相談や情報提供を続けてきたNPO(非営利組織)。これまでの9年間の活動をもとにまとめた、アレルギーの人のための食物選びの実用書だ。
食物アレルギーの基本的な知識を紹介した後、毎日のおかずや弁当、離乳食のレシピをイラスト入りで説明。アレルギー対応食品の入手先も挙げた。
作ることがつらくならないよう「手抜き」できて安心な調理を基本に、管理栄養士とともに編集している。

『朝日新聞』(2002年11月22日より)


 卵や小麦、大豆などにアレルギー症状を起こす子供にとって、どんな食生活をすれば健康に過ごせるかは重大な関心事だ。保護者にとっても同様だ。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの患者を対象に相談活動を行っている同ネットワークが、アレルギー対応の食材を使ったさまざまな料理法を詳しく紹介しているのがこの本だ。
離乳食のコツ、アレルギー表示の見方、アレルギー対応食品の製造販売メーカーの一覧など実用的な情報も載せていて、便利だ。

『毎日新聞』(2002年12月22日より)


「環境汚染から子供たちを守る術。便利な暮らしとの訣別」
文=バイオジャーナル編集長 天笠啓祐

 幼稚園や保育園などで子供の食事を作っている人たちと話すと、必ずといってよいほど食物アレルギーが話題になる。数が増えているだけでなく、ほとんどの食物に反応を示す、深刻な子どもも増えている。『アトピッ子料理ガイド』は、食物アレルギーで悩んでいる人向けの実践の書であると同時に、今の食卓に警鐘を鳴らしている本である。食物アレルギーは、環境汚染、輸入食材の増加、体内汚染の進行などが寄ってたかって引き起こしている病気だからだ。
食べ物の汚染を考えていく時、「安ければいいのか」という問い大切だ。『安ければ、それでいいのか!?』は、単刀直入にそのことを指摘した本だ。安さを求め、外国から輸入すれば、必然的に食品の安全性は低下する。それとは反対に、食べものは近ければ近いほどよい「フードマイレイジ」という考え方が定着しつつある。距離が延びれば、ポストハーベスト農薬などの問題点が加算されるからだ。

『ソトコト』(2003年5月号より)


 アトピーや食物アレルギーの子を持つ親が、もっとも頭を抱えているのが食事。「何を作ればいいのだろうか」と憂うつになってしまいます。
こんな悩みにこたえてくれるのが本書。アレルギーに対応した惣菜・弁当のおかず・ご飯・麺・菓子などのメニューレシピを紹介。野菜料理を中心に。加工食品の上手な利用方法も提案しています。この一冊で、食事で苦労している人も、きっと気が楽になることでしょう。

『食品と暮らしの安全』(2003年9月1日号より)


※ほかにも、『中日新聞』(2002年11月24日)、『東京新聞』(02年11月25日)、『子どもとゆく』(02年12月)、『自然と人間』(02年12月)、「給食ニュース」1244号付録(2003年2月8日)、『食べもの文化』(03年5月号)でも紹介されました。