徹底解剖100円ショップ──日常化するグローバリゼーション[6刷]

アジア太平洋資料センター 編
四六判/208ページ/本体1600円+税
2004年3月/ISBN 978-4906640744

なぜ儲かるのか? なぜ安いのか? 誰がトクしているのか?
中国・タイなど内外の産地を細かく調査。
安さの秘密と翻弄される国内産地、出来高払いの労働条件など多くの問題点に鋭く迫った初めての本。

目次

第1章 私たちはなぜ100円ショップを調べたのか
 一 狭くなった世界
 二 グローバル化っていいことばかりなのか?
 三 アジア共通市場の象徴としての100円

第2章 100円ショップはどうなっているのか
 一 素顔のザ・ダイソー100円SHOP
 二 キャンドゥのオーナー店長に聞く
 三 100円ショップはリトルチャイナ
 四 近づく飽和状態

第3章 商品はどこで、どう、つくられているのか
 1 大生産地・中国
  一 バイヤーが集まる義烏
  二 農村の真ん中に出現した国際市場
  三 商業から工業、そして貿易へ
  四 小商品城を歩く
  五 出来高払いの長時間労働
  六 仕入原価は三〇~四〇円

 2 タイで漉かれる「和紙」
  一 伝統産業の紙漉き
  二 現金収入を得るパート仕事
  三 地場産業を担う若き企業家
  四 ダイソーへ毎月一〇万枚を出荷
  五 日常化するグローバリゼーション

 3 長崎県の企業が量産する有田焼
  一 100円ショップで有田焼が売られていた
  二 古い歴史をもつ有田焼
  三 ガサ屋の存在
  四 ダイソーに年間一六〇〇万個を納入する企業

 4 翻弄される国内台所用品産地
  一 頭打ちになった伝統的な地場産業
  二 100円ショップの波紋
  三 100円ショップとともに成長した企業
  四 企業同士の連携による生き残りの道

 5 100円本という雑貨
  一 意外にたくさん出ている100円の本
  二 本を安くつくる秘密
  三 しわ寄せを受ける人びと
  四 出版業界への影響

第4章 100円ショップが100円で儲かる理由
 一 日常生活へ定着
 二 一人勝ちのダイソー
 三 不況とともに成長
 四 なぜ一〇〇円で販売できるのか?

第5章 安いからと喜んでばかりはいられない
 一 グローバル化と競争の加速
 二 日本社会へもたらす影響

第6章 では、どうすればいいのか
 一 「破壊的」経済に抗するために
 二 地場産業の振興に向けた行政の取組み
 三 新たな提携の模索

私たちのモノ研究──あとがきに代えて

書評

書評オープン


 町にあふれる100円ショップ。本までもが100円で、誰もが「何であんな値段で売れるのか」と不思議に思う背景を徹底取材する。
そこに見えてくる「グローバリゼーション(経済などのシステムが国を超えて世界的になる動き)」が突きつけられる。流通費、人件費を低く抑えていることは容易に想像がつくが、日本の有名産地も買いたたかれている状況には驚かされる。
破壊的な圧力は日用雑貨の世界だけではない。地場産業を守り発展させるには、物を作る視点に立った自治体行政が必要だ。地域を守る軸こそが抵抗できるとも指摘する。

『日本農業新聞』(2004年4月18日より)


 百円ショップはどうしてこんなに安いのか、と疑問に思う人は多いだろう。海外で安く作らせているのだろうぐらいのことは推測できるが、現実はどうなのか? このような百円ショップをめぐる数々の疑問に答えてくれる本。どこかで搾取が行われている、というような単純な話ではまったくないが、それでも百円ショップは「危険性」をはらんでいるらしい。本書でそれを確かめてほしい。

『東京新聞』『中日新聞』(2004年7月11日より)


 アジア太平洋資料センターの自主講座「PARC自由学校」は90年代からモノを調査するゼミを開いている。昨年度は「百円ショップから見るグローバリズム」。日常生活で実感しにくいグローバリズムについて、百円ショップを切り口に考えてみようという狙い。学生、主婦ら15人が参加、百円ショップを訪れて観察したり、国民生活センターで商品の情報を集めたり。結果は今年3月、単行本「徹底解剖100円ショップ」と同名のビデオにまとめられた。講座と並行して行われた研究者らによる同テーマの共同研究も紹介されている。

『朝日新聞』(2004年5月13日より)


 百円ショップで販売する多彩な商品はどこで、どうやって作られているのか。そんな疑問を抱くグループが生産現場を訪れて、安さのからくりをリポートする。百円ショップ向け商品を作ることで生産技術が向上し新たなビジネスに結びつくことがある。その一方で、労働者や不安定な雇用契約に置かれることもある。日本国内では使い捨てを助長する恐れもある。百円ショップの光と影を丹念に取材している。

『日本経済新聞』(2004年5月23日より)


 95年に780億円だった市場規模が、00年には2980億円にも膨れ上がった100円ショップ。製品の半分近くが中国製で、台湾、韓国、タイなどアジア諸国を産地とするものも多い。本書を執筆した6人は実際にそうした国々に赴き、安さの秘密、地域や環境への影響、労働条件などの問題に鋭く迫っている。「小規模な小売店に打撃を与え、地域の空洞化を招く」などの提言にもみみを傾けたい。

『週刊現代』(2004年5月8~15日号より)


 ある百円ショップは、平日に一日七十万円、休日に百万円売り上げるという。バイヤーが集まるのは、機械での大量生産が可能な中国の義烏市だが、国内にも、「有田焼コーナー」のために一日五万個の商品を納入する陶器会社が存在する。しかし喜んでいていいのだろうか。その内実には低劣な商品や労働環境など、問題がひそむ。丹念な調査を基に分析する。

『週刊朝日』(2004年5月7〜14日号より)


そのほか、『出版ニュース』(04年5月)、『クーヨン』(04年7月)、『ガバナンス』(04年6月号)、『技術と人間』(04年12月号)、『日刊ゲンダイ』(05年10月24日)、『債務と貧困を考えるジュビリー九州ニュースレター』Vol/23(07年11月)、『つな環』(第12号)で紹介されました。