オーガニックコットン物語

宮﨑道男(日本オーガニックコットン流通機構理事長)
A5判/120ページ/本体1600円+税
2010年4月/ISBN 978-4861870675

化学素材を使わないから、着る人にやさしい。
農薬を使わず、フェアトレードだから、環境にも作る人にもやさしい。
安全で安心できるオーガニックコットン(有機栽培綿)の精神や
栽培方法と商品開発の努力をさわやかに語る。

 

目次

 第1章 コットンは素晴らしい繊維素材
裸の人類への贈り物/綿花と日本人/原料生産の効率がよい/静電気を帯びにくい
/静電気は美容や健康の大敵/肌触りと免疫力や自律神経の深い関係
/燃やしても化学物質を排出しない

第2章 農薬漬けの綿花農場
危険な除草剤や殺虫剤などを散布/収穫前には落ち葉剤/農薬散布の実態と危険性
/「緑の革命」が招いた途上国の農薬大量使用/インドの綿花地帯でガンが急増
/子どもの被害が深刻

第3章 素顔のままが安全・安心・美しい
栽培の始まりは脇役/注目を浴び、生産量が増加中/オーガニックコットンの栽培方法
/生産者の良心と消費者の節度/オーガニックコットンとの出会い
/オーガニックコットン・ビジネスの先駆者/加工と縫製の現場を訪ねる

第4章 オーガニックコットンの精神はフェアトレード
公正な取引を重視/貧困救済と有機農業プロジェクトの支援
/成功したインドのオーガニックコットン農場/地球サミットでの受賞など国際的に高い評価
/インドのオーガニックコットン農場への旅/貧しい農村の現実を前にして
/ペルーとのフェアトレード

第5章 商品開発秘話
化学物質過敏症の病棟で寝具やタオルなど全面採用/使い勝手が悪かったマットレス
/化学物質をまったく使わないPFマットレスを開発/普通のタオルがゴワゴワになる理由
/化学的処理をしないのに柔らかくて快適なタオル/80回使っても、8年使っても、柔らかい
/無漂白のオーガニックコットンパフ/誰からも愛されるネコのぬいぐるみ…

第6章 オーガニック名感覚
服は命の原点/体を守ってきた草木染め/マイナス面がないオーガニックコットン
/命をいただく感謝/特定の観念という色眼鏡をはずそう/相対化を大切にする日本の伝統

エピローグ 買い物は未来を決める投票

 

著者プロフィール

宮﨑 道男(みやざき みちお)
1950年生まれ。明治大学農学部農芸化学科卒業。94年に日本オーガニックコットン流通機構(NOC)を設立し、正統な有機綿の普及と化学処理を行わない綿製品の開発に携わる。現在、NPO法人日本オーガニックコットン流通機構理事長。

 

書評

 

書評オープン

農業や化学肥料を使わない有機栽培綿「オーガニックコットン」の普及に努める著者が、商品開発の苦労や途上国との公正な取引を実行するための努力をエピソードを交えて紹介。環境に優しく安全な商品を求める選択こそ、豊かな社会につながると呼び掛ける。

『中日新聞』(2010年4月15日)


着る人に優しく、作る人にも優しいコットンのことがわかる本。農薬や化学薬品を使わず、栽培・加工したオーガニックコットン。その普及に力を入れてきた著者が語った。素材のままが安全・安心で美しいというメッセージを発信する。綿花の基礎知識に始まり、慣行栽培と有機栽培の綿製品の違い、開発途上国の生産者支援につながるフェアトレードなど、オーガニックコットンを正しく理解するための知識が満載。有機栽培でないのにオーガニックを名乗る綿製品をなくすため、著者が尽力してきた経緯も知ることができる。

『日本農業新聞』(2010年6月5日)


「『繊研新聞』(10年4月13日)、『東京新聞』『中日新聞』(10年4月15日)、『日本農業新聞』(10年4月26日)、『自然と人間』(vol.167、10年5月号)、『ふぇみん』(No.2924、10年5月25日号)、『日本農業新聞』(10年6月5日)で紹介されました。