写真と絵で見る 北朝鮮現代史

キム・ソンボ、キ・グァンソ、イ・シンチョル著
李泳采(イ・ヨンチェ)監訳・解説
韓興鉄(ハン・フンチョル)訳

B5判/304ページ(カラー144ページ)/本体3200円+税
2010年12月/ISBN 978-4861870750

北朝鮮はなぜ軍事行動を続けるのか?
―ベールに包まれたその現代史をわかりやすく明らかにする!

日本ではほとんど知られていない1945年以降の北朝鮮史を
新たな史料をもとにわかりやすく解説した、韓国で話題の書。
金日成・金正日はじめ、たくさんの貴重な写真や図表と丁寧な訳注から、知られざる隣国の歴史と現状、そして今後のゆくえが見えてくる!

※第2756回 日本図書館協会選定図書

セミナー『今北朝鮮で何か起きているのか-金日成、金正日、そして次の権力構造の行方』が、
10年12月17日に(主催:早稲田大学アジア研究機構・アジア平和研究所)行われ、著者キ・グァンソ氏、監訳者李泳采氏ほか、共著者であるキム・ソンボ氏(韓国・忠北大学史学科教授)、イ・シンチョル氏(韓国・歴史問題研究所研究員)も出席して行われました。
セミナーの内容、当日の模様はこちらからご覧下さい(コモンズブログに移動します)。

目次

<目次>

朝鮮民主主義人民共和国は東アジア平和共同体の構成員です
 日本語版によせて …… 
  金聖甫(キム・ソンボ)・奇光舒(キ・グァンソ)・李信澈(イ・シンチョル)

第1章 朝鮮民主主義人民共和国の建国 1945~1948
1 建国の中心になった人民委員会
2 帰ってきた共産主義者たち
3 変化の風を呼んだ土地改革
4 対立、交渉、そして2つの政府
5 社会主義改革の始まり

第2章 残酷な戦争と民族の悲劇 1949~1953
1 平和と戦争の分かれ道
2 1950年6月25日
3 死の大地、傷だらけの休戦
4 変化する権力構造
5 戦争と社会主義の生活様式

第3章 廃墟から立ち上がる社会主義 1953~1960
1 廃墟の地に社会主義を建設する
2 土地も工場も集団所有に
3 首領の権力に挑戦する
4 千里馬に乗った勢いで
5 首都平壌の再建と戦後復興期の文化

第4章 主体思想の時代 1961~1970
1 人民の情熱を基盤に発展を模索する
2 自主路線の選択と主体思想の誕生
3 あらゆるものを首領中心に
4 荒波のなかの南北関係と米朝関係
5 全面的な社会主義建設期の社会文化

第5章 姿が露わになった「ウリ式」社会主義 1970~1990
1 首領が治める社会
2 後継者に至る道
3 限界にぶつかった自力更生の夢
4 虚飾と対決で染められた南北関係
5 集団主義生活様式と文化

第6章 危機の北朝鮮の新しい選択 1991~
1 社会主義諸国の崩壊と北朝鮮
2 新しい首領の登場
3 南と北、葛藤と和解の変奏曲
4 孤立を克服するための岐路に立つ北朝鮮
5 主体的生活の強化なのか変化なのか

・本書に登場するおもな文芸作品
・北朝鮮年表(2003年以降)/北朝鮮基礎データ
・北朝鮮現代史研究の傑作 …… 監訳者解説 李泳)采
・索 引

 

著者・訳者プロフィール

<著者>
金聖甫(キム・ソンボ)
1962年生まれ。延世大学史学学科卒業後、同大学院で博士号取得。国史編纂委員会編史研究士を経て、延世大学史学学科教授・歴史問題研究所副所長。主著『南北韓経済構造の起源と展開』、共著『分断50年と統一時代の課題』など。

奇光舒(キ・グァンソ)
1964年生まれ。延世大学社会事業学科卒業後、ロシア連邦科学院東方学研究所で博士号取得。朝鮮大学政治外交学科教授・歴史問題研究所研究員。共著『北韓政治の理解』『解放前後史の史料研究』など。

李信澈(イ・シンチョル)
1965年生まれ。成均館大学史学科卒業後、同大学院で博士号取得。現在、成均館大学東アジア学術院研究教授。主著に『韓日近現代歴史論争』『北韓民族主義運動研究』など。

<監訳・解説>
李泳采(イ・ヨンチェ)
1971年、韓国全羅南道生まれ。慶煕大学政治外交学科卒業後98年に来日、慶應義塾大学大学院博士課程修了(政治学専攻)。恵泉女学園大学教員。専門は日韓・日朝関係。韓国語、韓国映像を通じて現代を語る市民講座の講師なども務める。主著『韓流が伝える現代韓国――「初恋」からノ・ムヒョンの死まで』(梨の木社、2010年)、『なるほど!これが韓国か――名言・流行語・造語で知る現代史』(韓興鉄との共著、朝日新聞出版、2006年)、『「IRIS」でわかる朝鮮半島の危機』(朝日新聞出版書籍編集部との共著、朝日新聞出版、2010年)など。

<訳者>
韓興鉄(ハン・フンチョル)
1969年生まれ。翻訳・編集業。訳書に『北朝鮮の日常風景』(石任生撮影、安海龍文、コモンズ、2007年)など。

 

書評

 

書評オープン


韓国の北朝鮮学をリードする研究者が、第二次大戦以降の現代史に基づき、300点以上の写真と絵、図表とともに解説した。韓国では2004年に刊行され版を重ねている話題の一冊(『サンデー毎日』11年1月16日号より)

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……本書は,韓国の北朝鮮学の専門家らが共同執筆。金大中、盧武鉉の民主政権下で進んだ研究成果を踏まえ、日本の植民地支配から解放されて以降の北朝鮮の現代史を丁寧に解説する。韓国で2004年に刊行され、版を重ねている本を翻訳した。
 北朝鮮政権の樹立、朝鮮戦争、金日成の絶対的権力の確立、自力更生方式の挫折と経済の停滞、南北の対話と確執、集団主義の生活様式と文化――。表題にある通り、300点以上の写真・絵・図表が、複雑な北朝鮮の歴史への理解を助ける。(『信濃毎日新聞』11年1月30日より一部抜粋)

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『写真と絵で見る北朝鮮現代史』(金聖甫ら著)をコモンズが刊行した。1945年以降の歴史を300点以上の写真、絵、図表とともに紹介している。政権の樹立過程から朝鮮戦争、度重なる粛正、最近の動きと課題などを、韓国の北朝鮮学をリードする研究者である著者たちが書いている。コラムでは北朝鮮の文化、生活スタイル、価値観などにも触れられている。(『朝日新聞』(11年2月20日より)

サンデー毎日』(11年1月16日)、『信濃毎日新聞』(11年1月30日)、『山梨日日新聞』(11年1月30日)、『神奈川新聞』(11年2月6日)、『京都新聞』『東都新聞』(11年2月13日)、『図書新聞』(11年2月19日)、『朝日新聞』(11年2月20日)、『オルタ』(11年3,4月号)、『ふぇみん』(11年3月15日、No.2951)、『ジャーナリスト』(11年3月25日)、『むくげ通信』(11年3月27日、245号)で紹介されました。