生命〈いのち〉を紡ぐ農の技術〈わざ〉――明峯哲夫著作集

明峯哲夫
四六判/424ページ/本体3200円+税
2016年6月/ISBN 978-4-86187-129-0

自給運動の若きリーダーとしてデビュー後、約40年にわたって
人間と自然、人間と生物、農の本質などについて原理的な考察を重ねてきた
在野の研究者・活動者のよりすぐりの論文・エッセイを収録した著作集。

目次

全体解説 小口広太

プロローグ 「自然保護から自然奪還へ」

第Ⅰ部 たまごの会を創って離れる(解題 永田まさゆき)
ある農場からの報告          
自給農場への道——たまごの会の運動         
農法と人間——人間の変革も農法のなかにある

第Ⅱ部 街人よ耕せ(解題 小口広太)
庭宣言
やぼ耕作団の歩み
いま、ここにユートピアを
ハイレベルな市民農園と市民耕作

第Ⅲ部 有機農業の科学と思想(解題 中島紀一)
鳥インフルエンザといのちの循環  
低投入・安定型の栽培へ
農学論の革新――有機農業推進の立場から
一年生・二年生・多年生――植物の寿命
大豆のはなし――風土と作物
作物と人間――ワタを育てる

第Ⅳ部 まちの自給、むらの自給(解題 大江正章)
「農」がいきづくまち
自給のむら

エピローグ 天国はいらない、故郷を与えよ

著者プロフィール

明峯 哲夫(あけみね・てつお)

1946年生まれ。北海道大学農学部農業生物学科卒業、大学院博士課程中退。
消費者自給農場「たまごの会」「やぼ耕作団」を経て、農業生物学研究室を主宰し、2014年に逝去。
主著=『都市の再生と農の力』『有機農業・自然農法の技術』『有機農業の技術と考え方』(共著)など。

書評

書評オープン


本書は農業生物学者の故・明峯哲夫さんの著作集である。19701年代以降、高度経済成長のもとで環境破壊問題が取り沙汰されるなか、「自ら作り、食べる」「日常的な暮らしの場で共に耕す」というメッセージを提起しながら、都市住民による自給運動をけん引してきた活動家でもある。人間と自然、生き物との関係性、農の本質などを論理的・実践の両面から探り続けた著者よりすぐりの論文・エッセイ18本を収録。

『全国農業新聞』


「日本農業新聞」(16年10月2日)、「全国農業新聞」(16年7月22日)、「北海道新聞」(16年7月17日)、「季刊地域」(16年11月増刊号)、「図書新聞」(16年11月19日)、「有機農業研究」(2016年Vol.8 No.2)、「農業と経済」(17年3月号)などで紹介されました。