旅とオーガニックと幸せと――WWOOF農家とウーファーたち

星野紀代子
四六判/228ページ/本体1800円+税
2016年8月/ISBN 978-4-86187-136-8

WWOOFは旅人と有機農家をつなぐ仕組み。
旅人は農作業を手伝い、農家は宿泊と食事を提供する。お金のやりとりはない。
彼らは、みんな幸せそうに生きている。なぜだろう?
その答えは、本書にある。
動いてみたら、何かが変わるかもしれない。

 

目次

はじめに

第1章 旅の可能性
一 旅する意味
二 日本は生きやすい国なのか

第2章 WWOOF、ウーファー、ホスト
一 WWOOFってなに?
二 ウーファーはどんな人たち?
三 ホストは何者?

第3章 幸せを考えてみる
一 幸せってなんだろう
二 幸せなホスト
三 ホストが幸せを感じる理由

第4章 農の世界
一 農業という職業
二 有機農業と有機農的生き方
三 二項対立を超えて

第5章 旅をするように生きる
一 ホストの幸せの秘密
二 人生に旅を

おわりに

 

著者プロフィール

星野 紀代子(ほしの・きよこ)

1963年生まれ。北海道十勝出身。
北海道大学公共政策大学院修了。
WWOOFジャパンLLP共同代表。
共著『泥だらけのスローライフ』(実業之日本社、2003年)。

 

書評

 

書評オープン


 「ウーフ(WWOOF)、ご存知でしょうか。World Wide Opportunities on Organic Farmsの略称で、有機農業やオーガニック的な生き方を学ぼうとする旅人と、受け入れる農家などのホストをつなげる仕組みです。旅人はホストのお手伝いをする一方、ホストは食事や寝る場所を提供してと、両者の間にお金のやり取りはありません。
もともとイギリスで始まり、現在は60以上の国と地域に広がっています。ウーファーと呼ばれる旅人は、居住する国内だけでなく、国外のホストを訪ねて世界を回る人たちもいます。(中略)
お金のやり取りとしない、ウーファーとホストとの家族的で汗臭いつながりが、いかに豊かで人間的なものであるのか。それは、ウーファーとホスト、あるいはウーファー同士が結婚するといううれしいニュースを毎年のように耳にするという、著者の言葉からも明らかでしょう。
「ウーフ文化論」とでもいうべき内容に、人生を豊かにするさらなるオーガニックの可能性を感じます。」

『むすび』(2016年10月号)


 「この本で取り上げているのは、WWOOF(ウーフ)という聞き慣れない言葉だ。本書によれば、旅人と有機農業家をつなぎ、できることをしてあげる、というお金のやりとりをしないで交換の仕組み、人と人との交流であるという。(中略)
今では世界約60カ国で取り組まれ、日本では北海道から沖縄まで46都道府県で約460戸の農家が登録している。
著者はWWOOFジャパンの事務局を運営する、この仕組みと実情に精通している人だ。著者が登録農家と接している中で、幸せ度がとても高いことに驚き、アンケートを行い幸せ度の実証と分析を行った結果を記しているのが本書である。かといって、数字を並べて論じるような本ではない。
「幸せとは何なのか」「満足度と幸せ度の関係はどうなっているのか」などをじっくりと検討するとともに、有機農業やオーガニックとは何なのか、農の世界はどうなっているのか、などを深くしっかりと考察している。」

『日本農業新聞』(2016年11月13日)


「北海道新聞」16年10月9日、「日本農業新聞」(16年11月13日)、「田舎暮らしの本」(17年3号)、「クーヨン」16年11月号、「むすび」16年10月月号などで紹介されました。