ファストファッションはなぜ安い?


伊藤和子
A5判/120ページ
定価1500円+税
2016年4月


ISBN 978-4-86187-126-9


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あなたの着る安い服は、アジアの少女たちの過酷な労働から生まれている!
バングラデシュの縫製工場が違法な建て増しで崩壊し、1100人が亡くなった。
中国のユニクロの下請け工場では、長時間労働や安い給料や劣悪な労働環境で労働者たちが働いている。
では、買うのを止めれば、問題は解決するのか?





<目次>


第1章
ファッション・レボリューション・デーに考える
1 ファッション産業を変える?!
2 下請け工場で何が起きているの?

第2章
ラナプラザの悲劇
1 バングラデシュでみたもの
2 労働者の声が反映されない
3 構造を変える

第3章
ユニクロの中国委託先工場の過酷な労働
1 なぜ中国、なぜユニクロ?
2 手法は潜入調査
3 調査報告書の公表
4 長時間労働と低い基本給
5 きわめて危険な労働環境
6 厳しい管理体制と罰則システム
7 代表者をもたない労働者
8 調査結果と勧告

第4章
カンボジアの縫製工場で何が起きていたのか
1 極端に安いカンボジアの最低賃金
2 縫製工場の労働者への聞き取り調査
3 厳しい条件で働く労働者たち
4 労働者の救済の役割を果たしていない救済機関
5 政府と国際フランドの責任

第5章
労働環境は改善したのか
・潜入調査報告書公表から一年
1 調査報告書の公表
2 ファーストリテイリング社の対応と改善策
3 改善は進んだのか
4 カンボジアの過酷な労働への国際ブランドの対応
5 私たちの求めること

第6章
企業に求められる人権への責任
1 企業の社会的責任
2 国連などが動きだした
3 大手アパレル企業の方針と行動

第7章
私たちにできること
1 ファッション産業は女性たちの夢をかなえるのか、それとも奪うのか
2 消費者には力がある

あとがき



<編者プロフィール>

伊藤和子(いとう・かずこ)
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長。
女性、子どもの権利、えん罪事件などを中心に活動し、国境を越えて世界の人権問題に取り組んでいる。
主著『人権は国境を越えて』岩波ジュニア新書、2013年。

【ヒューマンライツ・ナウ】
東京を本拠とする国際人権NGO。
日本から国境を越えて世界の人権侵害をなくすことを目的に、弁護士、ジャーナリスト、研究者などが中心になって、2006年に設立された。活動拠点は東京、ニューヨーク、ジュネーブ、アジア地域で、国連特別協議資格を有する。アジア地域を中心に、深刻な人権侵害の事実調査、アドボカシー、人権教育などの活動を行っている。主な活動範囲は、ビジネスで生じる人権侵害、武力紛争下の人権侵害、女性や子どもの権利、人権活動家の保護など。日本では、2014年に認定NPO法人となった。


 
 「ファストファッションとはファストフードにかけた造語で、流行を取り入れた低価格の服やそのブランドを指す。ファッションの世界はトレンドの変遷が早く、ワンシーズンしか「着られない」服はできるだけ安く買うのが「賢い」とされている。でも、それらがアジア諸国の貧しい人々、とりわけ女性や子供に過酷な労働を強いた結果、手に入るものだとしたら。そんな問題提起を行うのが本書だ。
 国内外の人権NGO団体が協力し、欧米欧米や日本のアパレル企業が業務委託する、中国とカンボジアの縫製工場に潜入調査する。そこで得たデータからは、工場の人件費や設備費を削減することで、企業が利益を得る仕組みが見えてくる。低すぎる賃金が長時間労働につながり、それでも暮らせないと売春に手を染める女性もいる。誰かの不幸の上に成り立つ先進国の暮らしは、豊かと言えるだろうか。
 不景気の続く日本にも、安価な衣料品しか買えない現実がある。それでも消費者が関心を持ち、企業がサプライヤーと適切な取引をするよう要求することで、アジアの人々の暮らしを守ることができる。」
(読売新聞 2016年6月26日書評欄)

安い服の向こうに驚くべき人権侵害が……
 工業化された「服づくり」の世界は、ひたすら低価格で、短いサイクルの間に次々と新商品を打ち出す「ファストファッション」化が激しい。しかし、やはり安いのにはワケがある。
 環境が劣悪な海外の工場。低賃金のうえ支払われない残業代。それでも労働者は「仕事がなくなるから不売運動はしないで」と、調査したNGOに訴えるという。改善には、やはり消費者の意識改革が欠かせない。ファッションはエシカル(倫理的)に!
(クーヨン 2016年8月号)



<書評>
「読売新聞」(16年6月26日読書欄)、「週刊金曜日」(16年7月8日号)、「ガバナンス」(16年6月号)、「クーヨン」(16年8月号)、「繊研新聞」(16年6月29日)、「女性のひろば」16年8月号、「オルタ」(16年3月号)などで紹介されました。




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