『いのちって何だろう
学校・家庭・戦場で子どもとともに

04年/四六判/1700+税 4-906640-79-6
村井淳志・坂下ひろこ・佐藤真紀著

 ◎日本図書館協会の選定図書に選ばれました(04年6月30日選定)◎

 三人三様で切り口は違っても、共通するのは「いのち」とは何か、という問いである。これは、抽象論では意味がない。とはいえ私たちは、医療者や宗教者のように、職業的に「いのち」に触れる機会をもっているわけではない。目の前の事態を受けて手探りに模索してきた航跡が、この本という形になって生まれたのだ。(本文より)
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◎書評
子どもによる殺人事件が起きる度に叫ばれる「いのちの大切さ」。しかし、実際に、大人たちはどこまで「いのち」と真剣に向き合ってきたのだろうか。それぞれの立場で向き合ってきた三人が、本にまとめた。
 金沢大教育学部教授の村井淳志さんは、食べ物などで大量消費される「いのち」や、自分とは縁遠い交通事故者に、痛みを感じることのない大人に「いのちの大切さを教えることはできない」と談じる。できるのは「死からの隔離を解除してあげる」ことだと強調し、金沢市の小学校教諭による「いのちを考える授業」をリポートする。
 本では、三人が目の前の事態を受け、「いのちとは何か」を問い続けた軌跡がつづられている。(『讀賣新聞(大阪版)』04年7月5日)
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 「いのちの大切さを教える」。少年少女による凶悪な事件が起きるたび、教育関係者が悲痛な表情で繰り返すのは、このフレーズだ。
 じゃあ、実際にどう教育していくのか。はっきり見えてこない。教育現場も戸惑っているのが実情なのかもしれない。
 この本の著者3人は、大学教授、主婦、NGOスタッフと仕事や経歴はバラバラなのだが、それぞれの立場から「『いのち』とは何か」という問いと向き合ってきた。
 坂下さんは6年前、インフルエンザ脳症で1歳のまな娘を亡くし、子供を亡くした親の自助会「小さないのち」を立ち上げて小児救急医療や遺族のケアの問題に取り組んできた。昨年にはガンを患い、自らも「死」と向き合った。
 その思いに触れるだけでも、「いのち」を考えるヒントにならないだろうか。(『産経新聞』04年8月13日、夕刊)

※ほかに、『婦人通信』(04年8月)、『週刊読書人』(04年9月3日号、日本図書館協会選定図書週報)で紹介されました。


<目次>

第1章 いのちを考える授業─―ニワトリを殺して食べる
 1 いのちをどう教えるのか
 2 小学三年生のいのちの授業
 3 ニワトリを殺して食べる授業

第2章 子どもと考えるわたしたちのいのち
 1 母になって その子を失って
 2 生と死はつながっている
 3 先生と考える子どものいのち
 4 心の専門家と考える子どものいのち
 5 小児科医と考える子どものいのち
 6 さいごに、いまのわたし

第3章 戦争と「テロ」を生きる
 1 パレスチナから考える「テロ」
 2 国際社会と核
 3 二一世紀の幕開けと九・一一
 4 子どもたちのパレスチナ
 5 ジェニンの虐殺と国際NGO