『子どもとゆく』
山田太一(脚本家)・斉藤次郎(子ども評論家)・池見恒則(河合塾講師)ほか 『子どもとゆく』編集部編 四六判/272ページ/定価=本体1700円+税
子育てに悩んでいるお父さん・お母さん、生徒のことがわからないという先生、学校がつまらないキミたち。 笑いながら、考えながら、どうしたらいいかが見えてくるかも。 知る人ぞ知るミニコミ誌『子どもとゆく』の巻頭インタビューから、よりすぐって構成しました。大事なのは子どもの側に立つことです。
◎書評 のんびりしたタイトルとキュートなブタのイラスト。「なにより大切なのは子どもが元気で楽しくいること」のメッセージ。ああ、いいな。子育てに追われるだけでなく、たまにはゆったり子どものことを考えてみよう。 そんなつもりで手にとったのが本書。学校や塾の先生、不登校の子どもを支援する人、農業を営む人、整体スクールの主宰者など、さまざまな分野の人たちが、子どもとの関わりの中で感じたこと、教育の実践を語っている。 どんな分野でも現場でなければわからないことがあるもの。子どもの世界しかり。このインタビュー集は、「常識」と思っていたことが、実は単なる思いこみや、ニュースの受け売りにすぎないと気づかされる話が多く、実に痛快だ。(『通販生活』05年春号) ブタの表紙のミニコミ月刊誌「子どもとゆく」は85年、子どもの側に立つことをキーワードに創刊された。その巻頭のインタビュー13編をまとめた。居場所、学力論、障害児、家庭・子どものタブーなど、幅広い論点に及んでいる。 「生きていくうえで大切なものは初期に身につく」とアドバイスするのは子ども評論家の斎藤次郎さん。脚本家の山田太一さんは「子どものサンプルであるという自覚を」と大人をうながす。「教育は雇用づくり」(河合塾講師・池見恒則さん)といった本音まであって、効率性への警鐘とともに、息せき切って子どもを先導し、型にはめなくてもよいと思えてくる好著だ。(『毎日新聞』04年10月15日) 『子どもとゆく』は「スローガンやお説教を避け、暮らしの場面の具体的な経験をポツポツと語り合うスタイル」で、「子ども」を切り口に社会を見つめ続けてきた雑誌。本書は雑誌からここ数年のインタビュー特集をピックアップし、まとめたものだ。 脚本家の山田太一さんは、「子どもに対するサンプル」である大人は、「常識」に疑問をもつ柔軟さと、してはいけないことを知る「タブー」の感覚が必要だ、と言う。「子ども」のことを考えることは、自分自身を見つめ直すことでもあるのだ。『クーヨン』(04年12月号) ※このほか『おそいはやいひくいたかい』(05年2月号No.26)『子どもプラス』19号(04年10月)、『ふぇみん』(04年10月25日号)、『クーヨン』(04年12月号)『出版ニュース』(04年11月中旬号)、『読書人』(04年12月24日号)でも紹介されました。 <もくじ> マニュアルではなく柔軟さを……子ども評論家 斎藤次郎 「子どものサンプルである」という、おとなの自覚……脚本家 山田太一 子どもと楽しくやれているときが幸せ……小学校教員 片桐健司 人間は生きものだから……横浜市寿町で子どもと付き合う 石井淳一 あらためて「社会性」を考える……青少年自立援助センター 工藤定次(タメさん) 居場所がもつ力……バクの会 滝谷美佐保 三〇周年記念式典を遊ぶ……養護学校教員 高崎明 養護学校の素顔……養護学校教員 西川しんや・吉田ももこ 百姓仕事と人間の幸せ……農と自然の研究所 宇根豊 世界のつながり からだのつながり……整体ライフスクール主宰 野村奈央 イマココニイルヨ……シンガー 李政美 いただくものが多いカンボジア教育支援……カンボジア教育支援基金代表 阿木幸男 混迷の「学力低下問題」をよむ……数学塾主宰 池見恒則・『子どもとゆく』編集部 藤田悟