徹底解剖 国家戦略特区

  ――私たちの暮らしはどうなる?

アジア太平洋資料センター 編
浜矩子・郭洋春ほか 著
A5判/161ページ
定価1400円+税
2014年11月

ISBN 978-4-86187-120-7

※第2938回 日本図書館協会選定図書

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アベノミクスの重要政策として、全国6か所が「国家戦略特区」に指定された。
安倍首相の「日本を世界一企業の活動しやすい国にする」という戦略の柱だ。
しかし、労働の規制緩和、外国企業の医療参入や投資拡大、農業への企業進出など暮らしに大きな影響が予想される。
政府が描く構想と問題点を各分野の専門家がわかりやすく解説する。




<目次>


第1章 新自由主義と国家戦略特区                      浜 矩子

   1 強き者のための「新新自由主義
   2 アベノミクスとは何か――「日本再興戦略改訂二〇一四」は富国強兵政策
   3 アベノミクスはこれからどうなるのか
   4 国家戦略特区の目的は「強い者をより強く」
   5 私たちはどう対応すればいいのか

第2章 国家戦略特区とは何か                        奈須りえ

   1 三つの特区
   2 「特区法」のまやかし
   3 国家戦略特区の概要
   4 規制緩和と既得権
   5 結局、誰のためなのか

3章 国家戦略特区と住民自治                       新里宏二

   1 私の視点
   2 地方自治の本旨と住民投票
   3 国家戦略特区と住民自治
   4 国家戦略特区に住民自治の考えをどう活かすか

第4章 ルールなき雇用社会は許せない                   東海林智

   1 厚労省官僚の嘆息
   2 雇用に大きく影響を及ぼす労働契約法の修正
   3 ますます解雇しやすくなる
   4 改正されたばかりの労働契約法に特例
   5 労働のあり方が根本から変わる

第5章 医療に市場原理はなじまない                    藤末 衛

   1 いま、ここにある危機
   2 医療分野の営利市場化と国家戦略特区
   3 混合診療が繰り返し取りざたされる理由
   4 医療は市場原理ではなく公的保険制度で
   5 倫理的かつ効率的な医療を目指して

第6章 「強い農業」に動員される農村                    大野和興

   1 土地を農民から資本へ
   2 平成の農地改革と農業委員会の解体
   3 進む資本の農業参入
   4 村の現実と大規模農業の虚構
   5 米価低落の秋に考える

第7章 米韓FTAで起きたこと――日本の将来は韓国にあり          郭 洋春

   1 韓国の経済自由区域で何が起きたのか
   2 改めて米韓FTAを考える
   3 米韓FTA発効後に何が起きたのか
   4 自由貿易協定の真の問題点

第8章 TPPと国家戦略特区は新自由主義の双子            内田聖子
    ――いのちの市場化の波を押し返すために――
 
   1 規制緩和による企業の「自由」の強化
   2 TPPとは何か――暮らしが丸ごと市場に投げ出される
   3 米国の意向に呼応する国家戦略特区
   4 いのちか、利潤か
   5 「民主主義の通貨」としての情報と脱成長

あとがき



<著者プロフィール>

アジア太平洋資料センター(PARC)
南と北の人々が対等・平等に生きることのできる社会をめざし、1973年に設立。
国内外の研究者、ジャーナリスト、NGO、市民活動家とのネットワークを活かし、ODAや経済のグローバリゼーションがもたらす貧困問題、自由貿易・投資、食と農、環境などをテーマに、調査研究や政策提言、キャンペーンを行う。あわせて、開発教育教材DVD制作や市民講座「PARC自由学校」などをとおして、日本の市民社会への発信・場づくりに携わっている。


<著者プロフィール>

浜 矩子(はま・のりこ)
1952年生まれ。同志社大学大学院ビジネス研究科教授。
主著=『新・国富論――グローバル経済の教科書』(文春新書、2012年)、『老楽国家論――反アベノミクス的生き方のススメ』(新潮社、2013年)。


奈須りえ(なす・りえ)
1961年生まれ。市民政策アナリスト、市民シンクタンクまちづくりエンパワメント代表、前・大田区議会議員。

新里宏二(にいさと・こうじ)
1952年生まれ。弁護士、日弁連多重債務問題WT座長、元・日弁連副会長。
共著=『武富士の闇を暴く――悪質商法の実態と対処法』(同時代社、2003年)、『Q&A改正貸金業法・出資法・利息制限法解説』(三省堂 2007年)。


東海林智(とうかいりん・さとし)
1964年生まれ。毎日新聞社会部記者。
主著=『貧困の現場』(毎日新聞社、2008年)、『15歳からの労働組合入門』(毎日新聞社、2013年)。


藤末 衛(ふじすえ・まもる)
1958年生まれ。全日本民主医療機関連合会会長、神戸健康共和会理事長。

大野和興(おおの・かずおき
1940年生まれ。農業ジャーナリスト、日本消費者連盟共同代表。
主著=『農と食の政治経済学』(緑風出版、1994年)、『日本の農業を考える』(岩波ジュニア新書、2004年)。


郭 洋春(カクヤンチュン)
1959年生まれ。立教大学経済学部教授。主著=『TPPすぐそこに迫る亡国の罠』(三交社、2013年)、『開発リスクの政治経済学』(編著、文眞堂、2013年)。

内田聖子(うちだ・しょうこ)
1970年生まれ。アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長。
共著=『活動家一丁あがり!――社会にモノ言うはじめの一歩』(NHK出版新書、2011年)。


<書評>
日系企業の駐在員として10年前から中国で暮らす著者が、中国人との対話などを通し、中国人は反日なのか、日中関係に何が障壁になっているのかを考えた。著者は反日デモ最中に行われた「理性愛国 反対暴力」デモなどを紹介し、中国に反日感情はあっても反日思想はなく、多くの中国人は感情は理性で制御すべきと考えていると見る。教育、メディアなどについても具体的事例を通し検討する。
 「公明新聞」(14年6月30日)


「しんぶん赤旗」(14年12月14日)、「全国農業新聞」(14年12月21)、「ガバナンス」(14年12月号)、「民医連医療」(15年2月号)、「女のしんぶん」(15年1月31日)、「出版ニュース」(15年2月上旬号)、「日本農業新聞」(15年3月22日)などで紹介されました。


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