『儲かればそれでいいのか』
―グローバリズムの本質と地域の力―

本山美彦・三浦展・山下惣一・古田睦美・佐久間智子・古沢広祐著
2006年/四六判/176ページ/1500円+税

グローバリゼーションや規制緩和を主張する人びとのモデルは、いつもアメリカでしかない。政治家が、強者の利益を公然と誘導するアメリカのルールがはびこっていいのか。勝ち組だけがいい思いをする日本で、いいのか! グローバル・スタンダードの本質を平明に解き、地域の独自性の回復、暮らしを成り立たせる農業の復権など、自らの暮らしを自らの基準で選び取って行くことを提唱。生き方を見つめなおす一冊。
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<目次>

序 章 グローバル化のオルタナティブをめざして
                 佐久間智子
      1 自由化と規制緩和が招く空洞化
      2 深刻化する一方の地域経済・農業
      3 構造を捉えれば、現実は創り変えられる 

第1章 
ウォルマート化する日本            
        本山美彦

      1 グローバリズムへの布石
      2 第二次トロン戦争
      3 労働条件の悪化=「ウォルマート化」
      4 アメリカの最大の焦点=医療保険
      5 日本に伝えられない大型スーパーの規制

第2章 ファスト風土以外の環境に住むことはわれわれの基本的な権利だ  三浦 展
      1 華氏911とショッピングモール
      2 ファスト風土化とグローバル化する消費
      3 再魔術化する空間
      4 急激な消費社会化が生む犯罪と都市伝説
      5 街の社会機能がファスト風土では喪失する
      6 最後に・・・希望はある

第3章 グローバリゼーションと日本農業の道筋                 山下惣一
      1 弱肉強食の時代
      2 投機の対象となる農地
      3 二極分化と国境を越えた展開
      4 品目横断的直接支払いへの転換
      5「担い手」のしぼりこみは正しいのか
      6日本農業が生き残る道

第4章 生存と生活の基盤を創る                          古田睦美
     1 グローバル化と生存の危機
     2 サブシステンス・パースペクティブで世界を紡ぎなおす
     3 すでに始まっているサブシステンス
 
第5章 地域を創り直すために                      本山美彦・三浦展
                                           古田睦美・山下惣一                                                   大野和興

<書評から>
・・・グローバル・スタンダードの本質を平明に解き、地域の独自性の回復、暮らしを成り立たせる農業の復権など、自らの暮らしを自らの基準で選び取っていくことを提唱する一冊。
(『自然と人間』06年6月号より)

 経済のグローバル化がもたらす怖さを実感させてくれる本だ。・・・農業と文筆活動をこなす山下惣一さんは世界各地の農業現場に足を運んだ経験から、英国NGOによる「グローバリゼーションとは資本対民衆の新たな世界同時戦争の始まりである」の定義を正しいと評価。そして地産地消や生協を土台とする日本農業を語る。・・・長野大学の吉田睦美さんが紹介している、儲けを溜め込むことには価値がなく、利益は周囲に振る舞ってしまうというメキシコの町の話にひかれた。4人が中心のシンポジウムの記録も収録。
(『ふぇみん』06年6月25日号より)

・・・本書は、現代のグローバル化社会のさまざまな矛盾を日常の視点から解き明かし、問題解決へのてがかりを示したものだ。・・・救われるのは、単に現状を分析しているだけではなく、それぞれが、今を少しでもよくする提案や、実際にはじまっているそのような例を紹介している点だ。・・・自分の行動ひとつが世の中を変える力につながることを信じて、暮らしを見直すことから始めたい。(『週刊金曜日』(06年6月23日号より)

『農業と経済』(06年11月号)で紹介されました。