血と涙のナガランド
―語ることを許されなかった民族の物語

カカ・D・イラル著
木村真希子・南風島渉訳
四六判/336ページ
本体価格2800円+税
2011年9月


ISBN-10: 4861870836
ISBN-13: 978-4861870835


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インド・ビルマの国境地帯ナガランド。
インパール作戦で日本軍が侵攻したその地で、
戦後60年ものあいだ、知られざる独立闘争が続いてきた。

民衆の苦しみと叫びをリアルに綴り、インドの弾圧の責任を問うが、
インド人将校からも共感の声がよせられている。



<目次>

◇日本語版刊行に寄せて  カカ・D・イラル
訳者まえがき  木村真希子 
主要組織解説  


第1章 見せしめの虐殺――ロングファ村の悪夢
第2章 反攻の戦士たち――コヒマ攻防戦
第3章 禁じられた墓碑銘――セツ村の虐殺
第4章 穢された瞳の悪夢――マヤンコクラ・屈辱の重荷を負って
第5章 精霊たちの復讐劇――ズラケ村の奇襲
第6章 死線に踊る戦士――ククウィ村の相棒物語
第7章 濁流の果ての祖国――東パキスタンへの過酷な遠征
第8章 儚き希望への旅立ち――中国への第二次遠征(前編)
第9章 死と絶望のあぎとへ――中国への第二次遠征(中編)
第10章 混迷と裏切りへの凱旋――中国への第二次遠征(後編)
第11章 いわれなき報復の矛先――シヤマ村の悲劇
第12章 血塗られた安息日――チエメクマ村の無差別攻撃
第13章 退路なき祖国――密林に果てた中国派遣団
第14章 迷宮に落ちた兵士――永遠を闘い続けた男の物語
第15章 希望へとつなぐ墓標――死と再生のマティクル村

訳者解説  木村真希子 
悪夢を歴史へと紡いだ男――あとがきに代えて  南風島 渉
もっとナガランドを知るために  
ナガランド略年表  



<著者紹介>


カカ・ディエヘコリエ・イラル
(Kaka Dierhekolie Iralu)
ジャーナリスト、作家。1956年、ナガランド・コヒマ生まれ、在住。インド・オスマニア大学にて修士(哲学)。1987年以来、おもにナガ民族の問題に関する執筆や講演活動などを、インド内外を問わず続けている。著書に“How Then Shall We Live?:Reflections on the political, economic and religious implications of Naga nationhood”(N.V. Press, Nagaland, 2000)など。

<訳者紹介>

木村 真希子(きむら・まきこ)
大学非常勤講師。ジャワハルラール・ネルー大学にてPh.D取得(社会学)。専門は社会学(エスニシティ論)、南アジア地域研究。先住民族の権利を支援する国連NGOである市民外交センター副代表。主論文「反移民暴動における民衆のエージェンシー――近隣コミュニティにおける集合的暴力」『国際政治』149号(2007年)など。

南風島 渉(はえじま・わたる)
報道写真記者。通信社写真部を経て、1995年からフリー。おもにアジアの紛争地や人権問題などを取材。著書『いつかロロサエの森で――東ティモール・ゼロからの出発』(コモンズ、2000年)、訳書『暗黒のアチェ――インドネシア軍による人権侵害』(インドネシア民主化支援ネットワーク発行、コモンズ発売、2000年)、共著『見えないアジアを歩く』(三一書房、2008年)など。




<書評>

…(略)…
 第二次世界大戦期における帝国陸軍のインパール作戦は、困難を極め多くの死傷者を出した。退役軍人の回想を聴くと、ナガ民族と交流が少なくない。しかし、敗戦後の日本社会では、政治的な独立をめざすナガ民族の苦闘はほとんど知られていない。過酷な戦闘の実情を述べる本書は、近代の国民国家が、少数民族にとっていかに巨大な壁となって立ちはだかっているか、考えさせるにちがいない。…(略)…
 著者はナガ民族の一員であり、インド政府の抑圧に反対であり、民族独立を願う立場から執筆している。民族問題に関して、不偏不党などではなく、旗色鮮明である。近代の国民国家が擁護するような、客観的な報告論文ではない。民族的な使命感を持つ作品である。 …(略)…
 翻訳はよくこなれた達意の文章で、少数民族問題に関心のない読者にも読みやすい。 …(略)…。(『オルタ』11年11・12月号より)

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 ナガランドとはインドとビルマの国境に広がる山岳地帯で、独自の文化と言語を持つナガ族が暮らしている。イギリスによる植民地支配の後にインドとビルマに割譲されるが、インド領となったナガランド州では60年以上にわたり激しい独立運動が行われ、インド軍による凄惨な虐殺や弾圧が続いている。本書は、このナガランドに暮らす村人や兵士たちへの聞き書きで綴ったもので、独立運動の活動家への弾圧によって武装闘争路線が確立したことや、和平会談におけるインドの態度に失望した人々が中国に兵士を送り、訓練や武器弾薬の供給をうけたことなどが記されている。この独立闘争はインドによって隠されていただけに、本書の刊行はたいへん貴重。(『出版ニュース』11年11月中旬号より)



『ジュマ・ネット通信』(11年10月号)、『オルタ』(11年11・12月号)、『出版ニュース』(11年11月中旬号)、『ふぇみん』(11年11月15日、No.2973)、『IMADR-JC通信』(11年9月、No.168)で紹介されました。