『農家女性の社会学―農の元気は女性から』
 理恵子著/A5判/256ページ/2800円+税

長年の農家女性への綿密なフィールドワークと地に足がついたフェミニズムの視点から、彼女たちの社会的地位の変遷と農村の新たな動きを浮き彫りにした労作。※第2617回 日本図書館協会選定図書
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<目次 >

プロローグ 農家女性への着目から見えてきたもの

第T部 農家女性が経済力をもつことの影響

 第1章 農家女性が「自分の財布」を持つ意味

 第2章 家庭菜園の意味づけの変化

 第3章「テマ」から労働の主体への変化

 第4章 生業を創り出す活動と村落運営

 第5章 農家の「嫁」から「農家の女性」へ

第U部 農村と個人の相互連関性

 第6章 農村の新しいリーダーたち

 第7章 食と農を結び、地域を創る

 第8章 農家女性のエンパワーメント

エピローグ 女が変わり、男が変わり、地域が変わる


<書評から>

「女性農業者の社会的地位の変遷、農村社会の再編・変革との関連性を、分析の単位を個人に据え、フェミニズム(女性の権利の主張)の視点から明らかにする。/朝市や直売所などがつくられ、こうした新しい流通の場で初めて個人の財布を持ち経済的・精神的自立を獲得してきた過程や過疎化など、農村社会を取り巻く厳しい状況の中、中高年の女性らが新たなリーダーとして活躍し、農村社会を変えていく姿を追う。/登場する舞台は普通の農山村。女性農業者がこれからの農を考えるための示唆を与えてくれる。」
(日本農業新聞(07年11月19日より)

「本書は、著者の博士論文を基にし、豊かなフィールドワークをとおして現代の日本の農家女性を可視的にした研究書である。一九八〇年代後半以降の日本の農家女性の労働をふくむ生活の中で、「無人市」・「ふれあい市」・農産物加工・農村-都市交流等の活動が、自分の「お金」になるという経験をとおして、農家女性をどう変えたか、男性との関係をどこまで変えることができたか、その限界をも含めてまとめられている。(中略)性急にフェミニズム理論をぶつけて農家の女性を黙らせてしまうのではなく、農家の女性たちの生活を腰を据えてじっくりと聞き取り、そこから冷静に問題点を指摘しているあたりは、フィールドワーク研究者の熟練を感じさせる。」(図書新聞(08年3月8日)より)

「本書の全体をとおして、農村の生活者のあるがままの現実から学ぼうとする筆者の謙虚で温かなまなざしが読み取れる。筆者が描き出した農家女性の『語り』の世界は、地に足をつけた生活者だけが持ちうる人生の深みを感じさせるほどの見事な域に達している。ジェンダー研究と民俗学に欠落していた視点をそれぞれ補って両者を接合し、農家女性の研究に新たな地平を拓いた本書の意義は大きい。農家女性のエンパワーメントに関心を持つ研究者や行政諸機関の関係者にとって必読の書である。」『農業と経済vol.74 No.6』(2008年6月)より


『日本農業新聞』(07年11月19日)、『ウィメンズブックス』(07年11月25日号)、『図書新聞』(08年3月8日)、『家族社会学研究Vol.20 No.1』(2008年4月発行)、『農業と経済vol.74 No.6』(2008年6月)、『社会学評論』(08年Vol.59,No.2)で紹介されました。