コモンズは、環境・アジア・農・食・自治などをテーマに暮らしを見直す、わかりやすく質の高いメッセージを伝える新しい出版社です。
 
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スタッフ紹介

■ 大江正章(コモンズ代表)

●「出会いは"ロビー外交"」天笠啓祐氏 (『週刊読書人』2000年11月3日より)
 一九八一年夏、伊豆長岡で全国自然保護大会が開かれた。私は、取材と本の販売を兼ねて参加した。その時、隣で売店を開いていたのが、当時、学陽書房の編集者であった大江正章さんである。
 その頃、自然保護運動には活気がみなぎり、本の売れ行きもよかったことを覚えている。このような集まりで売店を出すのは、編集と営業が分離されていない小零細出版社と相場が決まっていただけに、大きな出版社の編集者が販売を行っているのには驚いた。当時の大江さんは、学陽書房で、環境や第三世界、農業にこだわり異質の本をつくりつづける変わった編集者、という印象だった。
 その後、何度も集会や講演会での本の即売で一緒になり、親しくなった。いつも同じような人間が、集会の際ロビーにいて、集会での話の内容を聴くこともなく本を売ることに専念し、お互いに情報交換を行っていた。このような出会いを、私たちは皮肉を込めてロビー外交と呼んでいた。
 その大江さんから、グループ執筆で、子ども向けの環境問題の本をつくりたいと、原稿依頼があった。気楽に引き受けたのがうんのつきだった。その時初めて大江さんの本の作り方を知った。とにかく、しつこいのだ。
 その後、二冊の単行本を出すことになるのだが、「私とつき合うと誰もが悲鳴をあげる」と当人がいう通りである。原稿執筆より、その後の追加原稿などの方が時間がかかる。しかも、原稿のチェックや校正での問い合わせは、しばし深夜に及ぶ。受話器のい向こうから大江さんの軽やかな声が聞こえてくると、ゾーッとしたものである。
 その大江さんが、独立してコモンズを立ち上げることになったとき、周囲にいる人たちは誰もが心配した。私も「やめた方がよい」といった一人だった。だが、杞憂にすぎなかった。商売が実にうまいのだ。営業マンとしての素質も兼ね備えていたのだ。
 大江さんはまた、市民運動家という側面をもっている。アジア太平洋資料センター、日本子孫基金、日本有機農業研究会などに深く関わり、その運営を支えている。時には講師となって日本中を飛び回っている。また、有機農業を実践してコメなどをつくっている。ということは休む間もないことになる。わが家では、大江さんのことを「働き蜂」と呼んでいる。寝る時間がないのでは、と心配している。

●「本の仕掛け人たち」(時事通信社配信記事)
 社員十人以下の会社が圧倒的に多い出版界。昨年十一月中旬、初めて二冊の本を出した「コモンズ」(東京・下落合)も、一九九六年五月に誕生した総勢三人の小さな出版社だ。市民と研究者がヤシの実を通してアジアと日本の関係を探った本と、都市農業の多面性に光を当てた本。「僕が十五年勤めた出版社を飛び出したのは、こういう本を作り続けたかったからなんだ」。この二冊には、編集長の大江正章さんのそんな思いが詰まっている。
 大学時代、市民運動や地方自治に関心があった。大江さんは八〇年、行政や法学の実務書などを刊行する中堅出版社に就職。社の方針になじもうとしなかった大江さんが「とにかく企画を出せ」と言われて作ったのが、エネルギー問題の本だった。堅い内容ながら売れ行きは良く、全国紙が書評欄で取り上げた。
 「へえ、本を作るって、結構面白いじゃないか」。初めてこの世界が好きになれそうだと思った。以来、十四年半にわたる編集者生活で手掛けたのは、百六冊の単行本とビデオ三本。輸入食品やコメ問題、都市における農業の在り方…。ほとんどが、大江さん自身の問題意識に沿ったものだ。
 「企画から印刷所とのやりとりまで全部、編集者一人が責任を持つべきだ」というのが信条。タイムカードを押した後も、終電間際まで会社に残った。担当した本の刊行点数も年に十本を超え、「まるで”月刊単行本”」と言われるほど、働いた。「書き手と編集者は、ものの考え方を共にし、一緒にそれを世の中に伝えていこうとするパートナーの関係だ」
 「地域主義」を提唱した玉野井芳郎沖縄国際大学教授(故人)らと研究会をつくり、「農」をキーワードに三年間勉強を重ねた。場所は社内の会議室。交通費も食事代も一切出さず、飲みに行っても割り勘と、対等な立場で議論した。「だからこそ、濃密な関係が生まれたんじゃないかな」。研究会の成果を問うた『いのちと農の論理』は、九刷り一万部と売れ、「中央より地方、工業より農業、欧米よりアジア、という僕の視点も定まった」と大江さんは振り返る。
 「どんなに良い本も、読者に読まれなければ意味がない」。原稿には、徹底的に手を入れる。著者の先端の思想を生活レベルに下ろし、一般読者に伝わるようにするのが、最も大事な仕事」であるからだ。
 担当した多くの本は増刷に。社長も彼を信頼し、出す企画のほとんどがそのまま採用された。転機となったのは、九三年秋の社長の急死。跡を継いだ社長は「中身はともかく”売れ筋”の本を作れ」と大江さんに命じた。「ここはもう、僕のいる場所ではないな」と退職を決意、あえて独立の道を選んだ。
 「コモンズ」という名は、彼が敬愛する研究者たちの著者名から。「多くの仲間が集い、利益優先でない社会を共に目指す”共有地”に」との願いを込めた。

 

■ 浅井愛之(営業担当)
 書店営業歴うん十年のプロ中のプロ。大江とは学陽時代からのつきあいだ。堅い本を売ることに意義を見いだす貴重な存在。99年秋よりスタッフに加わってもらい、コモンズの営業力は飛躍的に伸びた。長身でダンディ、年齢より10歳は若く見える。弱みはお酒が飲めないことぐらい。

 
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