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天地有情の農学

宇根 豊
 本体2000円+税/四六判328ページ


百姓が主体となった、情念をもつかみとれる新たな農学を提示 する、著者渾身の書き下ろし。自然環境を守ってきた百姓仕事 の価値を明らかにするとともに、近代化のありように正面からき りこんだ思想書でもある。

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<目次>

序 章 自然環境と人間(百姓)の関係学――新しい農学の可能性

第1章 減農薬運動が自然環境の扉を開けた

第2章 人と自然の技術(土台技術)の発見

第3章 環境技術の形成――多面的機能技術化の方法論

第 4 章 生物技術という発想

第 5 章 環境農業政策の構想

第6章 自然環境をどう伝え、どう教えるか――環境教育・食農教育・農業体験学
    習と百姓仕事の関係

第7章 天地有情の農学を

<書評より>
 お百姓さんが田んぼで育てるのは、コメだけではない。赤トンボもカエルもメダカも、様々な生き物を育んでいる。身近な自然環境を支える仕事の全容をとらえ、社会における価値・意味づけに挑んだ著作。・・・貨幣価値に基づく生産性のみに立脚する近代農学に批判の目を向け、耕す者の主体性を重視して、「農家」や「農民」と言わず古くからの呼称「百姓」を使う。
 題名に農学とあるが、食べ物を価格と安全性の尺度だけで測る現代の狭量さをも描き出しており、「耕さない人」にとっても、示唆に富む
(『朝日新聞』07年8月24日)

 ・・・「農業」を「農」と「業」に分け、直接カネにならない仕事を「農」、ビジネス部分を「業」に分類集約してみると、圧倒的に「農」の割合が高いことがわかった。ところが農業のカネにならない仕事、すなわち、「農」によってこそ、この国の自然と環境が創造され、守られていることが見えてきた。
 ・・・この本は、二十七年間に及ぶ福岡県の農業改良普及員を辞し、福岡県二丈町で一百姓として実践しながら「百姓の体験を理論化する」ことを天命とする著者の出発点であると同時に土台思想を示す論考集であり、文字通り新しい農学の誕生である。彼岸花を愛でる前にぜひご一読を!
(『西日本新聞』07年9月16日より)

…この本は農業改良指導員として出発し、みずからも「百姓」となった著者による新しい農学の構想である。
 著者は、農民が近代化の路線を歩んでもきっぱりと切り捨てることができない、カネにならない自然とのつながりの要素をすくい上げる。そして「農業の多元的機能」を「めぐみ」と言い換えるなど、農の仕事の内側からあらわれてくる言葉を大切にしながら、学術的概念や行政用語と切り結ぼうとする。こうした努力が、この本をとても刺激的にしている。…(『東京新聞』07年9月23日より)。

JAビル・農業書センター<9月のベストセラー>で2位に、<10月のベストセラー>で9位に選ばれました。

『朝日新聞』(07年8月24日)、『科学』(07年9月号)、『日本農業新聞』(07年9月3日)、『熊本日日新聞』(07年9月9日)、『西日本新聞』(07年9月16日)、『農業共済新聞』(07年9月21日)、『田舎暮らしの本』(07年10月号)、『東京新聞』(07年9月23日)、『中日新聞』(07年9月23日),『月刊がバナンス』(07年10月号)、『図書新聞』(07年10月13日)、『生き物文化誌学会』(07年10月号)、『田舎暮らしの本』(07年10月号)、『農林経済』(07年11月12日号)、『日本農業新聞』(08年4月7日)で紹介されました。