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◎書評 ・ 著者の坂下ひろこさんは、1歳の長女あゆみちゃんをインフルエンザ脳症という病気で亡くした。同じ境遇にある親たちを支える会を立ち上げ、小児、救急医療の充実を求めている。本書では、活動を通じて出会ったさまざまな親たちの現実から、医療や親の生き方を考えている。(『中日新聞』12月14日) ----------
・「新たな道」歩む子供を失った母親
坂下さんは平成10年、長女のあゆみちゃん=当時(1つ)をインフルエンザ脳症で亡くし、同じ思いの親たちが集まって「小さないのち」が作られた。本は、あゆみちゃんが語り手となり、お母さん(坂下さん)が出会う同じ境遇の人たちを紹介している。 人間味あふれる医師が担当だったことで、子供の死の痛みを少しでも和らげることができたお母さん。逆に、脳死状態のとき医師から「どんな病気でも治ると思っていたら大間違い」と言われ、ショックを受けるお母さん。里親となるお母さん。子供を亡くした後に離婚するお母さん…。 突然襲う悲しみから、時間を経て新たな道を歩み出し、懸命に前に進むそれぞれの家族の姿が克明につづられている。 さらに、坂下さん自身が小児救急医療の現状を知るためさまざまな現場をたずね、医療従事者の生の声をインタビュー形式で紹介。 「小児救急治療室」設置という新しい取り組みにチャレンジする長野県立こども病院集中治療科▽子供を亡くした親の心のケアにあたるカウンセリングの現場▽病気の解明に挑む医師と最新治療。そこにはインフルエンザ治療だけでなく、現在の小児医療が抱えている問題点まで浮き彫りに。また医師任せでなく、親が子供の病気にどうかかわるべきか考えさせられる内容にもなっている。 本書は、「小さないのちとの約束」(平成12年12月)に続いて二冊目。坂下さんは「子供はたくさんの大人に守ってもらわなければ生きていけません。そのためのどういう取り組みが必要なのか。すべての親、これから親になる若い人、医師や医学生たち、この本を通していろんな大人の方々に考えていただきたいと思います」と話している。( 『産経新聞』東京版02年1月16日) ---------
もし、愛するわが子が風邪を引いただけで亡くなってしまったら...。 そんな恐ろしいことが実はだれにでも起こりうるという「インフルエンザ脳症・脳炎」。"一番の主治医はお母さん"と言われる私たちが、必ず知っておかなければいけない病気のひとつです。 この本は、わずか1歳で尊い命をインフルエンザ脳症によって奪われた「あゆみちゃん」が、天国のお友だちを紹介する形で語られていきます。現代の小児科医療とはどうあるべきか、親たちはどう関わっていくべきなのか。その問いかけに答えていくことが今、私たちに問われているのです。(『プチタンファン』2002年6月号) ----------
・絶望から立ち上がる母親らの姿克明 インフルエンザ脳症で子供を亡くした親たちの会「小さないのち」代表の坂下ひろこさんが「天国のお友だち 親と子どもと小児医療」(コモンズ刊)を出版した。子供を喪った四人のお母さんのたどった道が詳しく書き込まれ、胸を打つ。しかし、この本は家族の悲しみだけに終わっていない。坂下さんは小児救急医療の現状を知るため、厚生労働省、遺族、最新の治療現場を訪れ、これ以上、「小さな命」が喪われないことを願いながら書きつづっている。
坂下さんは平成十年、長女のあゆみちゃん(当時一つ)をインフルエンザ脳症で亡くし、同じ思いの親たちが集まって「小さないのち」が作られた。 この本は、あゆみちゃんが語り手となり、お母さん(坂下さん)が出会う同じ境遇の人たちを紹介している。 人間味あふれる医師が担当だったことで子供の死の痛みを少しでも和らげることができたお母さん。逆に、脳死状態のとき医師から「どんな病気でも治ると思っていたら大きな間違い」と言われ、ショックを受けるお母さん。里親となるお母さん。子供を亡くした後に離婚するお母さん…。突然襲う悲しみから、時間を経て新たな道を歩み出し、少しずつだが懸命に前に進むそれぞれの家族の姿が克明につづられている。 さらに、坂下さん自身が小児救急医療の現状を知るためさまざまな現場をたずね、医療従事者の生の声をインタビュー形式で紹介。 「小児集中治療室」設置という新しい取り組みにチャレンジする長野県立こども病院集中治療科▽子供を亡くした親の心のケアにあたるカウンセリングの現場▽病気の解明に挑む医師と最新治療。そこではインフルエンザ治療だけでなく、現在の小児医療が抱えている問題点まで浮き彫りに。また医師任せでなく、親が子供の病気にどうかかわるべきかを考えさせられる内容にもなっている。 本書は、「小さないのちとの約束」(平成十二年十二月)に続いて二冊目。坂下さんは「子供はたくさんの大人に守ってもらわなければ生きていけません。そのためどういう取り組みが必要なのか。すべての親、医師や医学生たち、行政、この本を通しいろんな大人の方に考えてもらいたいと思います」と話している。(産経新聞 2001/12/21)
※そのほか、『読売新聞』(02年1月27日)でも紹介、『Voice』(2002年11月号)では、柳田邦男さんが紹介してくださいました。
<目次>
子どもの未来を拓くために 柳田邦男
わたしはあゆみ 一歳です
●第一章 家族を救った最期の医療 一通の手紙から 弦ちゃんのおうちへ 待望の男の子 夜は先生がいない 風邪から急変
脳波がない 人間味あふれる主治医 限界を迎えてからの医療 悲しい別れは温もりのなかで その後をどう生きるか
人形を買うお父さんが二人
●小児救急医療の現状 田中一成氏(厚生労働省医政局)に聞く 小児救急医療の現状 補助金制度による支援 医療計画改正による支援
小児科医不足への対策 大病院指向が及ぼすもの 保護者の協力も必要
●第二章 わかってほしいから 医療裁判 わたしの子どもも同じ病気に けいれんが止まらない 主治医の一言、看護婦さんの対応 どれほど尽くしてもらっても 一人ひとりにやさしさを 許せない言葉 この子は死なない
えらい人は会ってくれなかった 親はあきらめられない 行き先をなくした愛情
●新しい取組み−小児集中治療室 植田育也氏(長野県立こども病院集中治療科)に聞く 子どもの集中治療室を作る 集中治療室の診療体制 米国の研修制度
日本の研修の問題点 これからの小児医療に求められること かかる側も考えよう
●第三章 悲しみに覆いかぶさる無理解 家族の嘆き わかり合える仲間 しあわせの記録と記憶
脳に何か入った? 大丈夫なんかじゃない! 集中治療室を出たくない
奇跡が起こると信じたけれど 無理解、そして離婚へ 弱っていく身体と心 ひとすじの光
●遺族を支える心の研究 北村俊則氏(熊本大学医学部教授)・蓮井千恵子氏(内田クリニック臨床心理士)に聞く 突然子どもを喪うということ
精神科医とカウンセラー 悲しみはあとから襲ってくる
心理的なケアが大切 身近な人がしてあげられること 悲哀カウンセリングの充実を
●第四章 あの子の分まで幸せを 一人っ子を亡くして ようやく授かった命
この子はわたしのもの 熱が高くなければ大丈夫? 何度も診てもらったのに... 薬も治療法もない 一人にはさせられない
もう一度抱きたい 新しい家族 里子 元気いっぱいのたろう君 愛と経験が育てる 新しい家族のかたち
●病気の解明−親と子どもと小児医療 森島恒雄氏(名古屋大学医学部教授)に聞く 研究班の役割と取組み 症状と原因 六つの治療法
初期の対応が大事 親の対応のポイント リハビリや社会のサポートの充実
<資料>インフルエンザ脳炎・脳症の原因調査 佐藤俊哉氏(京都大学大学院医学研究科教授)のお話
●永遠の「緒」となる医療へ−あとがきにかえて いのちと向き合う教育 親が一体となって創る小児医療 子どもの医療に負けはない
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