<目次>
第1章
ボクが都会で百姓を選んだわけ
となりのトトロの世界/ いかだを漕いで渡った田んぼの思い出/
燃えないごみなんて、ほとんどなかった/ 農業を継ぐことへの迷いが初めて生じた高校時代/
歌と旅に明け暮れた大学時代/ 農業が嫌いになった私/ ただの農民ではいたくない!/
農業がおもしろくなりかけた三〇代/ 生産緑地法の「改正」にゆれた都市農業/
農業は世の中の流れに無縁じゃない
第2章
都市だからこそ農業
都市のメリットをフル活用/ 夏場にはドカ〜ンと売る、自動販売機も設置/
中量中品目で五〇〇万円の所得/ 頑張る東京の農業/ JA青壮年部がめざした本格的な直売所/
理事会の決定をひっくり返す/ 取材や視察が殺到し、評判に/ こぐれ村はここが違う/
都市と農村の掛け橋に/ 今後のこぐれ村にも注目/ 野菜の運搬車をステージに、ジャズコンサート/
恒例になった畑のライブ/ 農業の魅力と可能性を軽いノリで追求/ 旬のふつうの野菜を安定してつくる/
農の延長に遊びがある/ 生き方の確認をさせてくれる高石ともや/ 土地は売るためにあるのではない
第3章
農の宣伝パーソン走る
むずかしい時期に青壮年部の委員長へ/ 胸を張って農業をやろうとアピール/
都市農業研究会がきっかけになり、全国組織の委員長に推される/ いったんは断るが、思い直して立候補/
委員長になった当日から新しい農のPR始動/ 組織を効率よく意欲的に動かすコツ/
政治集会やデモも新しいスタイルで/ 国際的な視点と農へのこだわり/
委員長時代の交流は素晴らしい財産/ なんといっても消費者との関係が大切/
現場の人間として行政と連携/ 行政の支援を有効に活用/ 有機農業も積極的に推進/
マスコミのいい加減さを知る/ マスコミとの上手な付き合い方/ 一〇人の一〇歩で農業を変える/
自分からアクションを起こす/ 都市にも本気の農業人たちが多い/ 勝負するときはいつも地下足袋で/
何でもありが農業だ
第4章
農家が経営し、市民が学ぶ農園
仲間の提案から始まった/ 本格的な体験農園を開設/ 定着した体験農園/
サービス業と認識し、経験にもとづき指導/ 一年間とおした収穫をめざして/ 講習会でていねいに指導/
基本は低農薬栽培/ 世話をやきすぎると、うまく育たない/ 基礎知識と資格の意味/
都市の農業のおもしろさを再認識
第5章
農が育てる子どもたち
肩肘はらずに給食へ野菜を出す/ みんなのひと手間で思いが形に/ 区内に広がる動き/
食農教育が自然と始まる/ 深まる学校とのかかわり/ トウモロコシのひげが育む智恵の世界/
教育の原点にある農業/ 畑を舞台に研究学習/ 体験しないと味わえない収穫の感動/
農家も参加して研究授業/ 事情に合わせて多様なやり方でよい/ 修学旅行で農業体験
第6章
癒しの農園
畑がデイケアの場になっていた/ てきめんの効果に、みんなが驚く/ 農業は彼らに向いている/
自立を促す一歩進んだケアの形を模索/ メンタルケアの場としての農園作業所
第7章
二一世紀は都市農業の時代
これから実力が試される/ 地方公聴会での主張/ 大きな組織を少しずつ変える/
税制問題の前に周囲の認知が大切/ 人間のすべてが試されるのが都市農業/ 二一世紀を農業の世紀に
第8章
家族
父母のこと/ 写真にだまされて/ 妻・俊子さんはすごい人/ すばらしきパートナー
<書評>
「農家が一人ひとりの消費者とつながって人間関係を築くことが、農業の未来にとって大切だし、地域も豊かにする」と白石さんは言う。「だから、消費者がすぐ近くにいる都市の農業は面白いんです」
著書では、白石さんの活動の内容と考えが平易な言葉でつづられ、単なる食物生産にとどまらない、農業がもつ広い意味合いを感じさせる。(『朝日新聞』2001年9月2日)
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著者は東京・練馬で97年から体験農園「大泉風のがっこう」を始めた。畑では種まきから収穫まで多くの人に農業を教える。精神障害者にはデイケアの場となり、子どもの心を育てる場ともなる。都市農業の明るい未来を感じさせる実践記録。(『東京新聞』01年8月7日)
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都会の真ん中でプロの百姓をやる変わった人がいる。そこにすき好んで人が集まってくる。彼らは経済的に有利な職を選んだはずなのに、気がつけば農にどっぷり漬かっている。なぜなら、その周りには、「ビジネス」では味わえない有機野菜ならぬ有機人脈がたわわに実っているからなのだ。著者は百姓を「命と環境を慈しみ、生きる者の糧を産み出す崇高な仕事」という。都会でも、いや都会だからこそ元気な農業者が増えてほしい。(『ガバナンス』01年8月号)
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東京練馬区で体験農園『大泉風のがっこう』を主宰し、自身でも直販と契約栽培を中心に、約三〇品目の野菜を生産している白石好孝氏が、「21世紀は都市農業の時代」と元気になる本≠書きました。 日本の農業が危機的といわれ始めた九〇年代初め、JA(全国農協)青年組織協議会委員長の任を受けた著者は、全国はもとより、都市に住む農業者自身が農業を楽しみ、魅力的な産業にするために先頭に立ちました。 本書の第四章「農家が経営し、市民が学ぶ農園」は、生産者には都会の農業のおもしろさを再認識させ、都市生活者には農業のもつ重要な役割を実感させる、新しい試みの紹介です。 第五章の「農が育てる子どもたち」は、学校給食に野菜を届けていくなかで、食農教育も担当しているという、宅地化が進む東京で農地が残っている練馬ならではのとりくみです。とくに学校教育にたずさわっている読者には役立つ章でしょう。 第六章の「癒しの農園」は、畑がデイケアの場になったという、農業セラピーについて書かれています。メンタルケアの場としての農園作業所の役割と効果、さらに一歩進んだケアの形を模索しています。迷いながらも全力投球している心やさしい著者の実践の記録と提案が込められています。
家族と仲間と消費者を愛し、一緒に農業をおもしろくしたいという著者に共感し、一人でも多くの方に本書をお読みいただきたいと思います。どのページからお読みいただいても勇気がわいてくる本です。(『食べもの通信』2001年12月号)
※そのほか、『週刊金曜日』(02年7月19日号)でも紹介されました。
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