【有機農業選書2】
有機農業政策と農の再生
 ―― 新たな農本の地平へ


中島紀一
本体価格1800円+税
四六判/208ページ
2011年7月

ISBN-10: 4861870801
ISBN-13: 978-4861870804


※第2779回 日本図書館協会選定図書
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21世紀は有機農業の時代!


震災復興は第一次産業の再生から始めよう!
農政の転換や有機農業推進政策を詳述し、農を社会の基本に据えた「農本」の地平を描く。



<目次>

序章  二一世紀農業の基本は有機農業──本書のねらいと構成

◆第T部 有機農業推進政策の形成と展開
第1章  有機農業の推進は国と自治体の責務
1 有機農業推進が国と自治体の責務となった──有機農業推進法の概要
2 有機農業の計画的推進の開始
──国の第一期有機農業推進基本方針(2007〜11年度)の概要

第2章  有機農業推進法の制定過程と政策展開
1 制定の準備過程(2004〜06年度)
2 始動した有機農業推進施策(2007〜09年度)
3 政権交代・事業仕分けによる政策推進の暗転(2010年度以降)
4 有機農業推進法を準備し、その後の取り組みを推進した民間の運動

第3章  第U世紀の有機農業──有機農業推進法が切り開いた政策論
1 「地域に広がる有機農業」の大展開
2 有機農業の公共性・公益性
3 自然共生をめざす技術論──有機農業は特殊農法ではない
4 「身土不二」と食の自給

第4章  国家管理の有機JAS制度の問題点
1 有機JAS制度と有機農業推進法のズレ
2 有機JAS制度の概要
3 有機JAS制度の運用上の問題点
4 有機JAS制度の改善をめざして

◆第U部 有機農業の社会的役割と可能性
第5章  食の見直しと農の再生
1 食の変貌──日本型食生活の崩壊
2 農の変貌──社会の農離れと農の縮小
3 食と農の国際環境と政策選択
4 グローバル時代の食の安全と農薬問題
5 「身土不二」視点からの食の見直し
6 農の再生と有機農業

第6章 「農業と環境」政策と有機農業
1 有機農業と環境保全型農業の政策的関連性と相違性
2 「環境と農業」政策の展開過程
3 「環境と農業」の政策論
4 「環境と農業」政策と有機農業推進の重要性
5 多様な担い手による自然と風土を活かした地域づくり

第7章  生物多様性の保全と新しい農業観への転換
1 第三次生物多様性国家戦略の農業観
2 農業近代化による自然への悪影響
3 自然改造と自然からの離脱の過去を見つめて
4 生物多様性保全のための農業・農村政策への転換を

第8章  いのちが見えなくなる時代と有機農業の意味
1 いのちが見えない社会の危機と食農教育
2 問われる農業の質
3 いのち育み、自然とともにある農業としての有機農業

第9章  農業の国民的基盤を広げ、深めていくために
1 有機農業は本来の農業
2 「主業農家」が日本農業の中核となるために
3  普通の農家が元気に生きて地域を拓く 
4 国民みんなが耕すことに参加する

終章  新しい農本の世界へ──大地震・大津波・原発事故の体験をふまえて
1 東日本大震災の体験から
2 東日本大震災からの教訓
3 二つの復興論
4 新しい農本の社会へ

〈資料1〉 有機農業の推進に関する法律
〈資料2〉 有機農業の推進に関する基本的な方針

あとがき



<著者プロフィール>


中島紀一(なかじま・きいち)
1947年生。茨城大学農学部教授。有機農業技術会議副代表理事。主著『食べものと農業はおカネだけでは測れない』(コモンズ、2004年)、『いのちと農の論理―地域に広がる有機農業―』(編著、コモンズ、2006年)』。



<書評>

 有機農業推進法(2006年)が議員立法で制定されて以降、有機農業の取り組みは確実に広がっている。
 著者のこれまでの有機農業に関する論考を整理しながら、T部では有機農業推進法とそれに基づく政策展開、今後の課題などをまとめる。U部では食べ物、環境、生物多様性の視点から、有機農業の意義を語る。
 著者の基本姿勢は「有機農業は、特定の規格基準に基づく特殊農法ではない。農業の本来のあり方を取り戻そうとする総合的な取り組み」と言う。このため、近代農業には批判的で、農業都市善を切り離し、地域環境を壊し、農業の持続的発展を危うくしたと断言する。この上で、有機農業の視点からの本格的な農業再建論の必要性を挙げる。……(『日本農業新聞』11年7月18日より一部抜粋)

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21世紀は有機農業の時代!
 長い間、日本の有機農業は民間のいわば異端的な取り組みによって支えられてきた。06年、有機農業推進法が制定されたのを契機に、官民連携して、,食と農と自然が結び合った地域農業の再生・革新の方向で推進され始めた。
 ようやく農政上のポジティブな課題として位置づけられるようになった有機農業。しかし、その理念、政策転換の方向性、政策の社会的基盤などについて、議論が整理されないまま進んできたのが実情だ。
 本書は、筆者の有機農業政策にかかわる論考を提示。有機農業推進政策の形成と展開、有機農業の社会的役割と可能性などが解説されており、自治体の農業関係者にもぜひ読んでほしい。(『ガバナンス』11年9月号より)



『日本農業新聞』(11年7月18日)、『ガバナンス』(11年9月号)、『電子耕』(11年9月23日、第319号)、『農業と経済』(11年12月号、vol.77)で紹介されました。