道遠くとも──弁護士相磯まつ江

川口和正 編著
四六判/224ページ/本体1800円+税
2008年3月/ISBN 978-4861870477

法律を、弱いもののために使おう!
日本の女性弁護士の草分け、相磯まつ江は、五〇年近くの日々、この初志を貫いてきた。
砂川裁判、朝日訴訟、国会乱闘事件などで画期的な判決を引き出した、名弁護士の一代記。

目次

プロローグ

第1章 人生の原点となった青春時代
  向学心に燃えて
    地の底であえいだ結婚と離婚

第2章 法律を、弱者のために使おう
  史上初、女性の労働弁護士の誕生
    東京の空に軍用機は飛ばせない──砂川基地拡張反対闘争
    「人間らしく生きる権利」を求めて──朝日訴訟
    議会制民主主義を守る──国会乱闘事件
    平和と人権のために──安保闘争と在日米軍問題

第3章 働くものの暮らしを守る
  歴史に残る名判決──明治生命月掛労組・未払賃金請求訴訟
    国会で参考人として陳述──滝ダムをめぐる収用委との対決
    現代の百姓一揆裁判──全日農米価訴訟
    商店主たちの背水の陣──大型スーパー出店を阻止

第4章 男女平等の実現のために
  前夫との一騎打ち──離婚の自由・離婚されない自由
    生涯の伴侶にめぐり会う──別姓を貫いて
    市井の女たちの正義を守る
    『女性の権利に関する特別委員会」の立ち上げ

エピローグ

書評

書評オープン


砂川闘争、朝日訴訟、国会乱闘事件、在日米軍兵士交通事故裁判、滝ダム土地収用問題、全日農米価訴訟、男女雇用機会均等法…。憲法が謳った平和と人権、男女平等を暮らしの中に根づかせる闘いの現場にい続ける労働弁護士、相磯まつ江さんのバイオグラフィー。ありがたいことに、主人公は現在八十六歳で現役。「女は結婚して子どもを産み、夫に従って家を守るべき」「女に学問はいらない」という憲法的な男女差別をまともに受けながら、相磯さんは、「三界に家なし」の茨の道をかけ抜けてきた。(中略)相磯さんは弟子志願の青年と夫婦別姓結婚、共同事務所をスタート。いまは娘の眞澄さんと、人権擁護弁護士として活躍中だ。結核患者の朝日茂さんの生活保護打ち切りの不当を訴えた、五十一年後のいま、「朝日訴訟」。同じ状況が巷にあふれ出した。

『サンデー毎日』(2008年4月14日発売号より)


入所以来約一年余りの間に、相磯さんは数多の労働争議事件を処理し、労働弁護士としての経験と自信を己のものとされた。また、多くの女性労働者で構成される繊維関係の企業の争議には特に乞われて仕事に取組み、多数の女工さん達を激励し、勇気づける演説を数多く体験することとなる。(中略)
日米軍事同盟のさらなる強化を策する六十年安保改定の前史として知られる、砂川町の基地の拡張を阻止するための裁判闘争に参加し、とりわけ東京都土地収用委員会の収用採決を出させないためのきわめて長期にわたる収用委員会では、ひたすらに引き伸ばしを狙っての長々しい意見陳述作戦で勝利することを経験する。

『法と民主主義』(2008年6月号より)


『We』(08年4・5月号)、『サンデー毎日』(08年4月14日発売号)、『女のしんぶん』(08年4月25日)、月刊『クーヨン』(08年6月号)、『法と民主主義』(08年6月号)、『静岡県近代史研究会会報』(08年7日10日号)、『静岡新聞』(08年7月3日)[『チルチンびと』(08年9月号)、『Azest』(08年9月号)、『Azest1・2年生用』(08年9月号)で紹介されました。