北の彩時記──アイヌの世界へ

計良光範(ヤイユーカラの森運営委員長)著
四六判/208ページ/本体1800円+税
2008年8月/ISBN 978-4861870507

自然とともに生きるアイヌの暮らしや文化を、
季節のめぐりやさまざまな伝承をとおして、詩情豊かに描く珠玉のエッセイ。
万物のいのちを大切にする先住民の姿勢から

私たちが学ぶことは、きわめて多い。

目次


まえがき

第1章 春……冬の残り香から夏の輝きへ

雪が解けたら
イトウの花
木の乳
シノ・パイカル
オハウ・キナ
山菜の王者
カッコウが鳴くと
桜前線
花の名前
クマの名前
シカの名前
動物たちの名前
人間の名前
赤ん坊は神の子
子どもの名前のつけ方
談判する鳥
嫌われもののカエル
大きな魚
春の魚
長い者
ヌサとイナウ
いのち
すべてのものには役割がある

第2章 束の間の夏は女の季節

夏の村
樹皮をはいで保存
トゥレップの採集
オントゥレップを作る
仮小屋を造る
夜に鳴く鳥
村を守る神
沖にいる神
夏の海漁
雨と虹
川の魚
鳥の伝承
セミとホタルとカの話
夏の虫たち
ノミとシラミ
太陽と月と星
お墓参り
舟を使い分ける
アイヌの信仰
アイヌの世界観

第3章 実りの秋は冬へ急ぎ足

収穫の喜び
サケの名前
カムイ・チェプ
いろいろなサケ漁
新しいサケへの祈り
サケの料理
中秋のころ
シャクシャイン祭り
クナシリ・メナシの戦い
イモと豆の昔話
人間と神
秋の仕事
アイヌの家
薪集め
山の実り
ラウラウ
冬の気配
トリカブトの毒
狩りをする神
愚かな人間
ヤドリギの神秘

第4章 冬は狩りの季節

火の起源
天地創造
お正月
先祖供養
冬の暮らし
アイヌ文様
クマ狩り
イオマンテ
シカ狩り
口承文芸
神のユーカラ
人間のユーカラ-ポイヤウンペの闘い
白い鳥の神
アイヌの楽器
カラスとカケス
復活したタンチョウ
難読地名が多い理由
音が意味をもつアイヌ語
アイヌの歴史(一)──四世紀まで
アイヌの歴史(二)──松前藩の成立と支配
アイヌの歴史(三)──分断支配から無主地へ
アイヌの歴史(四)──「北海道旧土人保護法」による同化政策
アイヌの歴史(五)──奪われた権利の回復へ
アイヌの歴史(一)──先住民族としての誇り
世界の先住民族

あとがき

書評

書評オープン


『NETWORKING』(2011年9月20日号)で紹介されました。