コロナ危機と未来の選択 ――パンデミック・格差・気候危機への市民社会の提言

アジア太平洋資料センター編
藤原辰史・斎藤幸平・内田聖子・大江正章ほか著
本体価格=1200円+税、A5判、136ページ
ISBN:978-4-86187-169-6 C0030
2021年4月25日刊行


まもなく世界は動き始めるだろう。だがそれは「元に戻る」ことであってはならない。
新型コロナウイルスのパンデミックは、市民社会が問題提起をしてきた、グローバル経済の矛盾と限界、人権、環境、開発の課題を全て含み込みながら登場した。危機に際し、私たちはどのように考え行動をとるべきだろうか。これから真の意味で公正で強靭かつ持続可能な世界を実現していくために、専門家・ジャーナリスト・NGOから10の提言を行う。
目次

はじめに  内田聖子

第1章 私たちはどこに立っているのか

災いはどこへ濃縮されていくのか――歴史研究から見た新型コロナウイルス  藤原辰史
危機増幅のメカニズムから逃れるために  中山智香子

第2章 コロナ禍の世界から

【韓国】市民社会の力――コロナ復興で進む農と食の取り組み  姜 乃榮
【ブラジル】「命の権利」のために――二元論を超える貧困層の人びとの闘い  下郷さとみ
【アフリカ】新型コロナワクチンを「国際公共財」に――感染症との闘いが鍛えてきた社会運動  稲場雅紀

第3章 未来への提言

ポスト資本主義のビジョン――気候正義と〈コモン〉の再生を  斎藤幸平
自由貿易は人びとの健康・食・主権を守れない――〈グローバル・コモン〉を統治する公正なルールを  内田聖子
環境と生態系の回復へ――次なるパンデミックの前に  井田徹治
ミュニシパリズム(地域自治主義)がひらく世界――公共と自治を取り戻す  岸本聡子
地域という希望――学校給食を核にした都市農村共生社会を  大江正章

おわりに 内田聖子

著者プロフィール

アジア太平洋資料センター(PARC)
南と北の人々が対等・平等に生きることのできる社会をめざし、1973年に設立。
国内外の研究者、ジャーナリスト、NGO、市民活動家とのネットワークを活かし、ODAや経済のグローバリゼーションがもたらす貧困問題、自由貿易・投資、食と農、環境などをテーマに、調査研究や政策提言、キャンペーンを行う。あわせて、開発教育教材DVD制作や市民講座「PARC自由学校」などをとおして、日本の市民社会への発信・場づくりに携わっている。

 

書評オープン


 『都市問題』(21年6月号)、『日本農業新聞』(21年6月13日)、『クーヨン』(21年8月号)、『ガバナンス』(21年8月号)、『DEAR News』(203号、21年8月号)、『ふぇみん』(21年9月5日)で紹介されました。